Deckard's Movie Diary
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| 2003年03月20日(木) |
ジェイ&サイレント・ボブ 赤い部屋の恋人 |
ケヴィン・スミス監督作『チェイシング・エイミー』『ドグマ』等の映画で、いつも脇役で登場している“女好きのジェイ”と“無口なサイレント・ボブ(ケヴィン・スミス本人)”の二人を主人公にしたケヴィンの新作『ジェイ&サイレント・ボブ/帝国への逆襲』。彼の笑いはそれなりに寒いですから、それなりに期待値低めで行きました(苦笑)。思っていたよりは良かったですね(苦笑)全編ブラックでお下劣なパロディ満載!外しちゃったギャグも満載!豪華スターも満載(爆)とにかく、アメリカ人の映画オタクがメッチャ喜びそうな映画でした。まぁ、お暇ならどうぞ♪
『スモーク』のウェイン・ワンの新作『赤い部屋の恋人』。監督自身は『ラスト・タンゴ・イン・パリ(この映画自体どうなのよ?)』のような芸術的ポルノを撮りたかったようです。ウェブ長者の男(オタク系)と、音楽で食えずストリッパーをやっている女。5つのルールを決め3日間の契約で二人はラスベガスへ。ドキュメンタリーのようなリアル感を出す為にデジタルビデオで撮影したのでしょうけれど、とにかく画が汚くて閉口しました。一見リアルなんですが、逆に言えばフィルターを1枚かけてるワケです。そこに制作者の安易なアプローチを感じてしまいました。内容は、不器用な恋愛というか愛の不毛というか、すれ違う男女の心模様なんですが、ツッコミが甘くヌルいです(苦笑)。ほとんど観客が思い描いているように話は展開していきます。男女の身体と心の奥底はもっと深いんじゃないのかなぁ。やはり、性的なものを踏まえた男女関係を描かせたら邦画が抜きん出ていますね・・・ボソ。密室での男女モノに限っても『赤い髪の女』『四畳半襖の裏張り』『実録・阿部定』等、簡単に傑作を上げるコトが出来ます。逆に深かったのは原題の“CENTER OF THE WORLD”。ウェブ長者の彼はPCひとつで世界の中心を感じるコトが出来るし、愛し合う二人にとっての濃密な時間もまた、世界の中心を感じさせてくれる。実に良く出来たタイトルでした。因みに、二人の愛の形を浮き彫りにする為に小生の大好きなハリウッド映画が会話に出てきました。その映画についてはいずれ『おつむてんてんフライド・ムービー』に書きたいと思っています。
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