Deckard's Movie Diary
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2003年02月21日(金)  戦場のピアニスト ホワイトオランダー

 一昨年に引き続き、またまたカンヌのパルムドールを受賞したピアニストもの(昨年の『ピアニスト』は激怒したなぁ・・・苦笑)今回の邦題は『戦場のピアニスト』。監督はロマン・ポランスキー。とても丁寧な作りで、しっかりと映画を観た気にさせてくれる堂々たる作品でした。どうもポランスキーという監督は自分にはシックリ来なくて、初期の作品『水の中のナイフ』とか『反撥』『ローズマリーの赤ちゃん』とかは好きなんですが、『チャイナタウン』辺りから・・・う〜ん・・・という感じで最近の『フランティック』『赤い航路』『ナインス・ゲート』なんてのは全く良さがわかりませんでした(苦笑)。しか〜し!今作は良かったです。特に圧巻だったのは空腹のまま将校の前で弾くシーン。自然と目頭が熱くなりました。その前のチェロの音色で「ああ、やっぱり音楽はいいなぁ・・・」と、ズーっと続いていた救い様の無い描写から癒されていたのですが、その空腹のままのシーンは、音楽の持つ『力』を感じさせてくれました。彼の生きてきた道程が表現されているようで、とても切なかったです。ポランスキーは全ての対象と一定の距離を保ち、実に淡々と描いてます。それは事実を過剰な思い入れで台無しにするのを避けているような気もしました。それだけこの題材に大きく心を動かされていたのでしょう。惜しいのはラストが蛇足気味なんです。もっとスッパリ終わって欲しかったかも・・・ボソ。それにしても「音楽」って偉大だなぁ♪

 確かにミシェル・ファイファーは良かったです(だから?) 適材適所という感じのレニー・ゼルウィガーでしたけど、あんなにアッサリ〜って役だったんですね(だから、何?) 言いたい事、伝えたい事はわかります(だからぁ、何なの?)って事ですよ!(わっかんねぇ〜爆)。う〜ん、いい映画なんですけどねぇ・・・ボソ。娘がカリスマ性のある強い母親の腕の中から飛び立つまでのストーリー。良くある『親離れ子離れ』がテーマの映画です。中盤まではかなりレベルの高いところで時は経つのですが、そのまま盛り上がらずにエンドマーク迎えてしまいます。だからメチャクチャ地味!盛り上がらないといけないのか?という疑問もありますが、結局のところあんまりピンと来ないんですよ。どうも製作者側だけが感動しちゃってるような映画でした。


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