Deckard's Movie Diary
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2002年11月11日(月)  たそがれ清兵衛 国性爺合戦

 山田洋次、初の時代劇だそうで・・・『たそがれ清兵衛』。これはイイ!監督が隅々まで気を遣っているのがわかります。演出はもちろん、撮影、照明、美術、衣装、音楽。ほぼ完璧です。脚本やキャストには好き嫌いが出るでしょうけど・・・例えば「語り」の形式が良かったのか?とか、ラストはコレでいいのか?とか、宮沢りえはどうなの?とかね(苦笑)。個人的には全く問題なかったです。描かれている世界はいつもの山田洋次の世界です。親子、家族、友人、秘めた恋心。いつもはその要素ばかりでヌルくなりがちな作品も多いのですが、今回はそこに壮絶な果し合いが用意されていて、それが今までの山田にはない緊張感を生んでいます。もう少し、ラストに向かって凝縮されれば良かったのですが・・・。地味ですけど地に足がついた真摯な態度の映画。こういう映画は好きですねぇ。今回の出来を見る限り、山田にはもっと時代劇を撮って欲しかったです。ひょっとすると黒澤並みだったかもぉ♪〜( ̄ε ̄;)。で、敵役の世界的舞踏家・田中泯ですが、素晴らしいです!予告編から「こいつ誰だぁ?」とは思ってたんですが、その迫力たるや、尋常ではありません。今まで何故に映画に出なかったのかなぁ・・・・。欲を言えば、もう少し笑わせて欲しかったです。それにしても相変わらず丹波はいい味出してるなぁ(笑)。

 母親が日本人だからと言って、「日本の英雄」ってのは言い過ぎでしょ(苦笑)。台湾をオランダから開放した英雄・鄭成功の半生記を描いた『国性爺合戦』。この映画のチラシが好みだったもんですから、観に行っちゃいました(苦笑)。監督はチェン・カイコー(陳凱歌)とチャン・イーモウ(張芸謀)と並び称されるウー・ヅーニィウ(呉子牛・『晩鐘』『南京1937』ともに未見)だそうですけど・・・ストーリーテーリングが下手ですねぇ。映画にまとまりない!っつーか、無駄な部分が多いというか、ドッシリした芯がありません。もっと鄭成功の人となりを掘り下げないとねぇ。まぁ、全体的な演出も大時代的ですし、撮影も照明も魅力ないです。だいたい、もっと面白い話になるんじゃないですかぁ?それでもお金はかかってるし、見せ場もそれなりにあります。もったいないですよー!しっかし!鄭成功って大陸を追い出されて、台湾を攻略したもんだとばっかり思ってました。ま、いいか!(爆)


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