Deckard's Movie Diary
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2002年10月16日(水)  青春の殺人者

 フィルムセンターにて、76年作『青春の殺人者』。言わずと知れた長谷川和彦の監督デビュー作であり、キネマ旬報ベストテン第1位作品。雨の中をトボトボ歩く順(水谷豊)。望遠レンズで捉えた映像に静かにイントロが被さって来る。横を走るトラックに水飛沫を浴びせられ、一瞬立ち止まる。再び歩き出した順に♪Do me a favor, will ya? と突き抜けるような透明な歌声が響き『青春の殺人者』のタイトルがバーン!!いやぁ、マジで胸が熱くなりました。26年前学生だった時にも感じた、何とも言えない胸の高鳴り。この洗練された音楽には驚きました。かなり音楽状況に詳しかった小生でしたが、どんな音源なのか全くわかりませんでした。広告等では音楽も先進的な使われ方などしていましたが、まさか、邦画で!? というわけでオープニングから、その新しい感覚にやられちゃったんですねぇ。しかし映画全体としては、当時の先進的な部分(特に映像感覚)は、今となっては手垢が付いた演出のように見えてしまって、ちょっとスカスカに感じてしまいました。(>_<)アチャ!それでも、母(市原悦子)と順の格闘(殺し合い)シーンは凄まじい空気で充満していて、やはり目に力が入ってしまいました(笑)。そしてナンと言っても恋人ケイ子を演じた原田美枝子(当時17歳!同じ年に『大地の子守唄』にも主演))!まだまだヘタクソなんですけど、その存在感って言ったら!まさに、この映画の為だけに存在していた。と言っても過言ではないでしょう。内容は千葉県で実際におこった「両親殺人事件」が題材なので重いです。それなのに、見終わって清々しい感覚さえ感じるのは紛れもなく水谷豊の飄々な存在感と、ゴダイゴの音楽でした。原作は中上健二の『蛇淫』。チョイ役で桃井かおり、江藤潤の70年代系の売れっ子達が花を添えています。あの『愛を乞う人』の原田美枝子なんだよなぁ・・・あー、時は過ぎたのねぇー(苦笑)


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