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2002年03月02日(土) ブロークン・ハーツ・クラブ

1950年の今日、“カーペンターズ”の
カレン・カーペンターが生まれました。
83年2月、33歳の誕生日を前に、
若くして亡くなった彼女ですが、
シンシア・ギブ(懐かしい!)が
カレンの役を演じた伝記映画もあると聞きます。
でも、残念ながら、これは未見でして…
せめて、カーペンターズの曲を
印象的に使っている映画をどうぞ。


ブロークン・ハーツ・クラブ
The Broken Hearts Club

2000年アメリカ グレッグ・バランティ監督


気のいいひょうきん者、ちょっと理屈っぽいヤツ、
ルックスのよさで恋人をとっかえひっかえの駆け出し役者、
それぞれに魅力と欠点を同じだけ持った若い男たちが、
“ブロークン・ハーツ・クラブ”に集います。
同名のソフトボールチームも持っている
オーナー(ジョン・マホーニー)を含め、
彼を父親のように慕うこの若い連中は、
みんなそろってゲイでした…

よくあるウェルメイドな群像劇ですが、
よくあるゲイムービーではありません。
それを象徴するのが、登場人物の1人、
ハゥイという男のセリフでした。
「ゲイが出てくる映画というと、
エイズ患者を聖人扱いしたようなのばかり。
もっと、性生活はごく普通で、ローンに追われているみたいな、
自分たちみたいな“普通の”ゲイのことを映画にしたら、
『マグノリアの花たち』みたいな作品だって狙えるのに」

『マグノリアの花たち』といえば、こちらでも昨年10月、
ハーバート・ロスが亡くなったときに
取り上げさせていただきましたが、
あらゆる世代、あらゆる個性の女性たちが友情を育む、
女性群像劇の傑作ですが、この例えに大受けした連中が、
じゃ、誰々はジュリア・ロバーツだ、
誰それはシャーリー・マクレーンだと、
映画の中のキャストを勝手きままに挙げるシーンなど、
映画がアメリカの共通言語であることがわかる、
くすっとさせられるシーンです。

もちろん、ゲイというからには、
その同性愛という性癖ゆえの特徴ですから、
どうしてもセックス絡みの話題やシーンも登場しますが、
決して嫌悪するようなものではありません。
その種のものに、何となく嫌悪感を持ってしまう方も、
ゲイ・ムービーを偏愛する方も、
ただ単に良質な人間ドラマを見たいというだけの方にも、
ぜひお勧めします。

全編に、あらゆるヴァージョンの
カーペンターズのヒット曲が使われていますが、
その中の1曲、“Top of the world”は、
少年ナイフのカバーによるものでした。


ユリノキマリ |MAILHomePage