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2002年02月15日(金) 失われた週末


失われた週末 The Lost Weekend
1945年アメリカ ビリー・ワイルダー監督


「アパートの鍵貸します」「麗しのサブリナ」といった作品の
ワイルダー・タッチを想像すると、
「裏切られた!」と思ってしまうほどにビターでしたが、
秀作には違いありません。

要するに、人はどうやってアルコール依存症になっていくか、
そして、なってしまったら、後に模索すべき道は?というような、
リアルで厳しいお話でした。

「○○依存症」という言葉がありますが、どんな言葉を入れても、
近代病理として成り立ってしまいそうな勢いです。

「買い物依存症」の人は、買ったものの額を聞かれると、必ず
安く値引いて答えてしまう、とか聞いたことがあります。

映画の中のレイ・ミランドも、
飲んだ飲まないの話になれば、平気で嘘をつくし、
酒瓶も巧みに隠すし(その方法に御注目!です)、
飲み代がなければ、家政婦さんに払うべき給料にも手をつけました。

心配する恋人や兄をも裏切り、
とにかく酒、酒、酒と求める男の姿の救いのなさは、
「夢を見せてくれる」という
映画の1つの役割は全く負っていませんが、
何かを考えさせるという点では、
社会的意義の大きな作品だと思います。
たまには、このような作品もどうでしょうか?


ユリノキマリ |MAILHomePage