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2002年01月26日(土) ぼくのバラ色の人生

ぼくのバラ色の人生 Ma Vie En Rose
1997年 イギリス・フランス・ベルギー合作
アラン・ベルリネール監督


主人公は、リュドヴィックという7歳の少年です。
赤とピンクが飛び交うポップでキュートな映像の中で、
「自分は女の子になるはずだったのに、
X染色体の片方を生まれるときに落っことした」
と思い込んでいて、
(つまり、ハナから自分にはY染色体があるという認識がゼロ)
女の子になって、
好きな男の子と結婚することを夢見ていました。

でも周囲はというと、希望的観測も含めて
「誰にでもありがちな通過点」だと決めつけ、
リュドヴィックという少年そのものを理解しようとしません。
そんな彼に対する誹謗中傷がもとで、
せっかく溶け込んだ地区から
一家そろって引っ越さざるを得なくなり、
リュドヴィックは居心地の悪さの中、
いよいよ空想の中の「パムの世界」での遊びに入り込みます。
でも、そんな彼を救ったのは……
バービー人形を髣髴とさせる“パム”が登場する
女の子向けテレビ番組のタイトル
 

性同一性障害など、課題提起するような色合いも濃いのですが、
何しろ画が非常に美しくファンタスティックで、
考え込んでしまうというよりは、
心にしみ入ってくるような映画でした。
何かの要素で、自分って場違いな人間だなと感じることがある、
(でも、その居心地の悪さが、その人を
慎み深いチャーミングな人間にしている場合も、
往々にしてあるのですが…)
そんなすべての愛すべき人々に見ていただきたい作品です。

うちの長女は今日で11歳になりました。
いつも寒色系の服を着ていて、髪も短く、
遊びの興味の対象も男子小学生系にシフトしております。
(ちなみに、コロコロコミック愛読者です)
ですから、初対面の人は十中八九「お兄ちゃん」と呼びます。
彼女が5年後10年後、どんなふうになっているのかは判りませんが、
もしも彼女が、社会の中での自分自身の身の置きどころが
わからなくなることがあっても、
「家にいれば、余計なこと考えなくていいし…」
と思ってもらえる程度の親でいたいと思います。
(言うだけは簡単なのですけど)


ユリノキマリ |MAILHomePage