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2001年04月08日(日) アメリカの災難

突然ですが、ニコラス・ケージが
パチンコ・マシーンのCMに出ていますね。
この間、「スリーセブン編」を見ました。これが第二弾でしょうか?
戸田奈津子さんまで引っ張り出した
「記者会見編」も強烈だったけれど、
以下、もっとすんごい続編をつくっていってほしいものです。
ニッキーって、きっといい人なんだろうなあと、見るたび思います。
日本のCMにはほいほい出るハリウッドスターは数あれど、
あそこまでやってくれる人は、彼しかいません。

余りにもメジャーになっちゃったので、口にしにくいのですが、
私、「ペギー・スーの結婚」を見て以来、彼のファンでした。
が、そのころ(十数年前)って、比較的目敏いライターさんでも、
ニッキーを「変な顔」「所詮は七光り」という扱いでした。
だもので、昔は別な意味で口にしにくかったのですが……。

某雑誌の映画に関する対談で、
ニッキーの実力を(発揮している作品があったとは確かに言えないけど)
ハナから評価しようともせず、
「コッポラの甥ってだけで出ている俳優」呼ばわりしていた
SキネツTムとか、コサKイKズキに腹を立てたのも、遠い昔です。
彼らは今、ニコラス・ケージという役者を、どう評価しているでしょう。

「バーディ」はよかったです。
鳥になりきったマシュー・モディンには存在感で劣るけれども、
それに、やっぱり変な顔だったけれども、
男の友情で泣かせました。
そもそもの発行部数が少ないらしい、
シネマスクエアとうきゅうで上映されたときのパンフ、
もとが500円だったものを、古書店で1200円で買ってしまいました。
ゲージュツに散財はつきものというわけです。

そんなニッキーは、ある女性に恋をし、
彼女にプロポーズをOKしてもらうため、
数々の無理難題を呑みました。
その中に「隠遁生活を送っているサリンジャーのサインGet」
というのがあって、
それだけでも「まーっ、なんて贅沢なオンナなの」と思っていたら、
その人の名が「パトリシア・アークェット」だということを知りました。
姉(ロザンナ)と弟(デビッド)はすぐ思い浮かぶけれども、
一番ぱっとしないというか、おどおどした女性だなというイメージでした。
そのパトリシアは、1968年4月8日生まれだそうです。
彼女が出演しているコメディーで、好きな作品があります。

アメリカの災難 Flirting with Disaster
1996年アメリカ デビッド.O.ラッセル監督


ベン・スティラー扮する昆虫学者が、
立派に育ててくれた里親に感謝しつつも、
自分も結婚し、人の親になったことで生じた
ある種の「迷い」を吹っ切るように、
実の親を訪ねていく……コメディーでした。

パトリシアの役は、ベンの博物館の同僚にして妻という女性で、
しょっちゅう間食をしているため、産後の肥立ちがよすぎて、
姑からたしなめられるようなありさまでした。
あの少々トロそうなところが、妙にはまった役でした。

実の両親がまだ健在だということ、
どこに住んでいるかというようなことは、
しかるべき団体で調べてもらうと、あっさりわかるのですが、
人違いだったために回り道をさせられたり、
コーディネーターを務めた
美人精神科医ティア・レオーニとベンが
あやしい雰囲気になったり、
パトリシアの高校時代の同級生が、
恋人と一緒に旅に加わったりで、
思わぬ珍道中になってしまいました。
そうしてやっとめぐりあえた実の両親は、
まだまだ現役バリバリのヒッピーでした……。

抱腹絶倒というよりも、
ところどころがそこはかとなくおかしいのです。

例えば、こんなシーンがありました。
パトリシアのもと同級生(ゲイですが)が、
パトリシアのわきの下が美しいので、
なめさせてくれと頼み、パトリシアもOKしたのですが、
その現場を見てしまったベンの言いぐさときたら、
「妻がよその男にわきの下をなめられているなんて! 
目に焼きついちゃうじゃないか!」
まあ、彼がゲイだったゆえでしょうが、
「言うに事欠いて」とはこのことです。
パニクった人間って、案外こんなものでしょうか。

レンタルビデオ店で、ちょっと酔狂な気分になったとき、
探してみてください。
(本当に、勧めているんですよ…)

そういえば、パトリシアは、ニコラス・ケージと離婚したんでしたっけ?
一度申請し、取り下げて、やっぱり離婚した…とかなんとか聞いたような。

少し話は逸れますが、
私は映画監督で俳優の利重剛さんも好きなのですが、
彼は美人作家の鷺沢萌さんと結婚し、やはり離婚しました。
別に私の呪いではないと思いますが(そこまでの思い入れはナイので)、
パトリシアも鷺沢さんも私も、全員1968年生まれです。
私だけ、「ただそれだけ」なのが悲しいところですが。
「ああ、芸のあるオンナになりたい」


ユリノキマリ |MAILHomePage