囚はれのシネマ日記
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伊豆高原から湯ヶ島へ紅葉を見に行つた。 『しろばんば』の井上靖の育つた地。 しろばんばとは雪虫のことらしい。 湯ヶ島には井上靖の家が保存されてゐる。 (上の写真→) 井上靖のつぎに「いのしし村」へ行つた。 「いのしし村」はいのしし尽くしである。 いのししショウ、いのししレース、いの しし鍋、いのししチャーシューラーメン、 いのししカレー、いのしし汁うどん、い のししウィンナー…といふやうに。 「いのししレース」はとくに人気がある。 競馬のやうにレースを予想して券を買ふ。 けれどいのししは鼻が利きすぎてゴール よりも餌の方へ走りすぎる傾向あり。 また三頭身の肉体がいかにも重さうだ。 いのししの子供のうり坊には4月と5月 にしかお目にかかれないさうで残念。
そしてこの日の宿、狩野川の岸辺にたつ 落合楼・村上へ。 伊豆半島を流れる狩野川の起点である本 谷川と猫越川の「落ち合ふ」所に建つの で「落合楼」とは粋であることよ。 この温泉は明治時代創業の老舗旅館で建 物の多くは文化財に指定されてゐる。 わたしたちが案内されたのは幸運にも狩 野川沿ひの、せせらぎ聞こゆの部屋。 レトロな窓硝子ごしに、はるか紅葉の天 城山系をのぞむことができる。 夜にはどしやぶりの雨の中で眠るやうに 静寂をやぶる川音がはげしかつた。 この「藤の2」はかつて林芙美子が逗留 して小説を書いた部屋だつた。 川端康成、北原白秋、田山花袋らの文人 墨客がここを贔屓にしたらしい。 露天風呂も川沿ひにあり、せせらぎを間 近に聞き、紅葉を愛でながらゆつくりと お湯に浸かつて来たのでありました。 (下の写真→)
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