囚はれのシネマ日記
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| 2005年07月22日(金) |
バッド・エデュケーション |
センセーショナルな紹介のされ方で気になつてゐた『バッド・エデュケーション』を見に行つた。 見に行くのはすこぶる久しぶりのこと。 見に行くのはDVD化が待てなかつたといふことだ。 いつもの飯田橋ギンレイホール。 ロードショウは終はつたけれどDVD化されるには間がある、そんな名画を掬つて見せてくれる小さな映画館だ。 大辻さんが通ひつめてゐる進富座みたいな感じだらうか。
『オール・アバウト・マイ・マザー』にしても『トーク・トゥ・ハー』にしてもペドロ・アルモドバル監督の趣味はわたしはそれほど好きではない。 ゲイ・テイスト満載なのだけれどけばけばしくて繊細さがないから。 スペインといふお国柄が原色のはげしさを持つからかもしれない。 この映画のガエル・ガルシア・ベルナルはかなり綺麗な青年だけれどやはり女装するとごついと感じた。 (ガエル・ガルシア・ベルナルはメキシコ人なので同じスペイン語でもその発音の矯正に苦労したらしい) せつかくのジャン・ポール・ゴルチエのドレスもハイヒールも運動会の仮装行列といふ感じ。 チェ・ゲバラからドラッグ・クィーンまで、このところ何でもやりすぎるんではないかなあ。 『モーターサイクル・ダイアリーズ』のチェ・ゲバラは逆にひ弱すぎる感じだつたし。 あの映画も革命家ゲバラの誕生を語るに綺麗ごとに終始してゐたのでつまらなかつた。 レイナルド・アレナス原作の『夜になる前に』の映画はなかなかよかつた。 カストロが同性愛者を反革命分子として弾圧する胸を打つ作品だつた。
『バッド・エデュケーション』の筋は込み入つてゐてすぐには呑み込めないほど。 シナリオを作りすぎるのもこの監督の悪趣味なのだらう。 それにしては小児性愛の生贄となつた美少年が成長してドラッグ漬けのドラッグ・クィーンになるといふのは話としては凡庸かも。 ただしボーイ・ソプラノで歌ふ「ムーン・リヴァー」に乗せて、水辺で少年たちが遊ぶシーンはうつくし過ぎてゾクゾクした。 大人になつたエンリケとイグナシオが早朝のプールで泳ぐシーンにも才気を感じた。 始めから終はりまで居眠りどころかあくびもさせず一気に見せしまふのだからかなり凄い映画と言へるんではないだらうか。
わたしが期待してゐたほどイカれた映画ではなかつたけれど。 ガエル・ガルシア・ベルナルの女装とヘアが見られる娯楽作品と言つてもいい。 ひとりで見にきてゐた男性の客がとても多かつたのだけれど、この人たちみんな薔薇族なのかしら、とまた余計な想像をしてしまひました。
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