囚はれのシネマ日記
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まあ、コーエン兄弟の映画『バーバー』のビリー・ボブ・ソーントンみたいな渋い理髪師がゐる店なら通ひつめたいものだけど。 無口で渋いけれどあの銜へ煙草だけは仕事師としてどうなんでせう。 お客さんの髪に灰が落ちはしないかとハラハラしてしまふ。 虚無感を演出するためにしてゐるんだらうけれど勘違ひしてゐると思ふ。 (ビリー・ボブではなくコーエン兄弟の演出が) あの理髪師は仕事一途のニヒリスト(?)だからそんなことはしないはずなのだ。 あれでカットの技術がたいしたことないなら相当カッコわるいことになる。 でもビリー・ボブ・ソーントンはあの理髪師の役がよかつた。 さすが理髪師、あの銀色の前髪巻き毛はとても素敵に似合つてゐた。 ほかの映画もほとんど見たけれどこれと言つたものはなかつたやうに思ふ。 『バッド・サンタ』にしても『チョコレート』にしても本来のポテンシャル全開といふ気がしない。 ビリー・ボブと来ればバーバー、これしかない。
ところで『ビフォア・サンセット』がDVDになつた。 『恋人までのディスタンス』の続編。 フランス人のジュリー・デルピーとアメリカ人のイーサン・ホークが列車のなかで出逢ひ、ウィーンで途中下車して一昼夜を過ごし半年後の再会を約束して分かれる、といふのが『恋人たちのディスタンス』だつた。 ジュリー・デルピーはソルボンヌの大学生でバタイユの『マダム・エドワルダ』を列車のなかで読んでゐて、イーサン・ホークにナンパされたのだ。 その後ふたりが再会できたのかどうかわたしはずつと気がかりだつた。 『ビフォア・サンセット』は半年後に再会できなかつたふたりが、9年後にパリで偶然逢ふといふ話。 イーサン・ホークが作家としてパリの書店で会見をしてゐるところへジュリー・デルピーがやつて来る。 しかし彼にはすでに妻も子もゐる。 それに飛行機に乗る時刻もせまつてゐる。 「あの小説を書けば君に逢へると思つた」と泣かせることを彼は言ふ。 それはジュリー・デルピーをモデルにした小説で、そこそこ売れてゐるのだつた。 でもそれはかつての初々しい彼女であり、今の彼女とはちよつと違ふんでは? 今の彼女は環境保護団体で働く運動家のやうになつてゐるし、喋りすぎるんでは? とても綺麗な人だけれど。 このふたりは愛し合つてはゐても一緒には暮らせない、そんな気がする。 結局この続編もふたりがどうなるのかまでは明らかにしないまま終はつた。 といふことは続々編へとペンディング、といふことになりますわね。
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