囚はれのシネマ日記
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| 2004年10月04日(月) |
あけがたの水滴のワルツ |
といふと洒落てゐるけれどそんなもんぢやない。 雨漏りでした。 エアコンの接続口からぽたぽたと落ちる雫はやがて本棚のうへになにげなく置いておいたカーテンと卒業証書をぐつしより濡らした。 何年もこうして雨が漏つてゐたらしく床の端からすでに腐敗が始まつてゐるではないの。 水はいのちの証であり、そして、万物を腐らせる。 だからいのちは死ぬと腐つてしまふ。 だから水はいちばん怖いものだと思ふ。 わたしは応急措置としてその傷口にガムテープを張りしたたり落ちる雨を吸はせるためにタオルを置く。 タオルは雑巾のやうに雨を吸ひ絞れば水のしたたるものになる。 電気屋さんは重役のやうな男性が立派な革かばんを下げてやつて来た。 え? 作業をする気はなく下見に来ただけだ。 たぶんこの人はパナソニックをリストラされて電気店の営業職についたのだと思ふ。
ああでももうすつかり秋ですのことよ。 ついこのあひだまでゴッキーの出没におびえてゐたといふのに炬燵が欲しいほど冷え込むけふ。 金木犀の香りそむる季節となりにけるかも。
もうひとつ雨樋の噛み合はせの悪いところからどしやぶりの雨がぼたぼたとトタンの庇を打ちつづけてゐる。 一晩中。 その途切れのない雨音のために眠れず耳栓をして眠つた人がゐる。 わたしには聞こえなかつたけれど聞こえてゐたらさぞやイラつくことだらう。 こちらは近所の板金屋さんへ修理を頼みに行く。 秋の雨はいそがしい。 あーでもまだ直しに来ないなあ。 近所なのに無視するつもりね、きつと。
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