囚はれのシネマ日記
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| 2004年09月17日(金) |
破壊しに、と彼女は言ふ |
ジャンヌ・モローが最高潮だつたのはやはり『突然炎のごとく』だらう。 ルイ・マルの『死刑台のエレヴェーター』もよかつたけれど。 あのころからすでにジャンヌ・モローの貌には邪悪なものが見え隠れしてゐた。 悪女とかそういふ存在ではなくなにか破壊的な意志を持つやうな女。 実際ジャンヌ・モローの演じる女はことごとく破壊する女だ。 『突然炎のごとく』のあの可愛いらしいカトリーヌだつてジムと無理心中する現場をジュールに見せつけるわけだし。 彼女が友情、恋愛、結婚生活、生命、信頼をつぎつぎに破壊してゆくのを何度わたしは映画で見たことだらう。 だから自分の顔を破壊したとしてもそれほど理不尽ではないのかも知れない。 『墓石に、』ぢやなくて『破壊しに、と彼女は言ふ』というデュラスの小説のタイトルみたいに。 『危険な関係』のラストシーンは衝撃的だ。 大火傷のために貌半分にひきつつた痕が残るジャンヌ・モローに「心が貌に表れてゐるわ!」といふことばが浴びせかけられる。 『デュラス 愛の最終章』は映画そのものは大したことはなく、ジャンヌ・モローの老醜と孤独が心に残る。 やはりジャンヌ・モローは貌で勝負する女優だつたと思ふ。
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