囚はれのシネマ日記
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2004年08月05日(木) 哀しみのベッカム

ミハスをバスで下るとすぐに地中海だつた。
夕方5時ごろにフエンヒローラのホテルに到着。
いちおうコスタ・デル・ソルなのだから海の見える部屋だらうと期待する。
しかし海は見えるものの海面きらきらの全面展開ではない。
バルコニーに出ると海の一部が見えるといふ程度。
潮騒が聞こえるといふわけでもなし。
おまけに冷蔵庫もなし。
されどこの夏はじめての蝉しぐれなり。
正面にはコンドミニアムらしきものの屋上で抱きあふ若い男女がよく見える。
コンドミニアムの庭にはプールがありやはり若い男女で賑わつてゐる。
コスタ・デル・ソルとはいふもののなんとなく侘しい感じがするのはなぜなんだらう。
たぶんここは伊豆でいへば稲取海岸のやうにちよつと鄙びた海岸なのだ。




やうやくレストランが開店する夕方8時ごろにマダムたちと食事に行く。
わたしたちはなぜかスペインでイタリアン・レストランに行つたのだ。
ピザやパスタやサラダをそれぞれ一皿づつ注文する。
するとウェイトレスは「ウノ(ひと皿)か?」とその都度聞いてくる。
そしてさいごにまだ「全部ウノでいいんだね?」と確認する。
そんな少しづつでは到底足りないはづだと思つたらしい。
「シー、シー、ウノなんとかかんとか、グラシアス…カピート」
そんな感じで注文した覚えのないものまで運ばれきたりしたけれど。
地中海の色は伊豆の海よりいくぶんぺパーミントがかつてゐた。
白浜とか今井浜みたいに。
でも海岸は万国共通のタラソテラピーだ(?)。
帰りにビールを買ひにスーパーに寄るが9時を過ぎてゐたのですでに閉店。
レンタル・ビデオ店のやうな店で缶ビールを見つけて買ふ。
いつたい冷蔵庫のない部屋で入浴後に生水を飲めとでもいふんだらうか。
(自動販売機やコンビニのやたら多い日本は天国だ)
案の定、缶ビールは生ぬるくなつてしまつてゐた。
その夜ははやばやと寝てしまつたのだが、たいへんなことが起きてゐた。
ポルトガルで行はれてゐたユーロ2004の準々決勝、イングランド対ポルトガル戦のシーソーゲームにヨーロッパは熱狂してゐたのだつた。
眠りながらときどきホテルの内外から起こるドヨメキはなんなんだらうとは思つた。
PK戦までもつれ込んだ試合はベッカムがゴールを外したことによつてポルトガルが勝利、イングランドは敗北したのだつた。
翌朝バルセロナへ向かふ飛行機のなかで見た新聞に悲嘆に暮れるベッカムの写真が大きく載つてゐた。



    左はポルトガルのフィーゴ、右はベッカム、同じレアル・マドリードなのに…



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