囚はれのシネマ日記
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2004年08月04日(水) 絶壁のロンダから白いミハスへ




ロンダは標高780mの丘のうへにある。
だからといつて涼しいわけではなかつた。
それもさうだ。
ここは地中海をはさんでアフリカ大陸にとても近いのだから。
まづ1785年に作られたスペイン最古の闘牛場のひとつPlaza de Torosを見た。
ロンダは近代闘牛の発祥の地といはれる。
この街に生まれたフランシスコ・ロメロは、それまでは馬に乗りながら牛を狙つてゐたのを、ムレータと呼ばれる赤い布と剣だけで牛に挑んだ。
勇敢な男だ。
ヘミングウェイの『日はまた昇る』のなかに登場する闘牛士は、たしかこのロメロの孫のペドロ・ロメロではなかつたらうか?
ここではじめて闘牛場の内部を見学することができた。
アレーナ(砂場)、牛の出口、牛小屋、馬場。
だが牛の解体作業場や外科手術室といつたものは見ることはできなかつた。
現役の闘牛場なのだからそのやうな設備はあるはずなのだが。
ソル(日向)席に座るとはげしい太陽のため目を開けてゐることもできない。




ロンダの新市街と旧市街は深い渓谷によつて分かれてゐる。
グアダレビン川が刻んだ深い渓谷。
その渓谷にはヌエボ(新)橋がかかり橋からは絶壁の絶景が楽しめる。
絶壁に沿つたパラドールの窓からの眺めはいかばかりかと夢想する。
こぢんまりした旧市街を歩いてまはる。
22年前に映画『カルメン』のロケがおこなはれたといふ広場もあつた。




ロンダから峠を越えてミハスへ向かふ。
その山道でとほくイギリス領ジブラルタルの岩山とアフリカ大陸がかすんで見えた。
ミハスはガイドブックで見たとほりの白く可愛らしい街だつた。
アンダルシアの村の家が白いのは強い日差しを吸収しないからだといふ。
ギリシアやシチリアのガイドブックにもそんな白い村が出てくる。
白い村と青い海だけ。
ミハスは街全体が白い階段状の大きなおみやげ屋さんといふ感じ。
ミハスの押し花を細工した女の子向きの小物を売る「アマポーラ」といふ店でわたしはふたりの娘に可愛らしい手鏡をおみやげに買つた。
そして小さなサン・セバスチャン教会のひんやりした空気に親しんだ。
街の中心にはジャカランダといふ樹がむらさきの花を咲かせてゐた。
それは南アフリカや南アメリカに咲くめづらしい花らしく、同行の人たちは大騒ぎしてカメラを向けてゐた。




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