囚はれのシネマ日記
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| 2004年07月23日(金) |
セビージャの城壁の近くに |
写真はカテドラルとヒラルダの塔 セヴィージャはフラメンコ発祥の地、「カルメン」と「セビリアの理髪師」の舞台といふだけではない。 かつて西ゴート王国の首都だつたセヴィージャがジブラルタル海峡を渡つてきたモーロ人に征服されたのは712年。 それ以後500年以上ものあひだイスラム文化繁栄の舞台となる。 その経済的繁栄が文化的繁栄に反映してゐたのでせう。 とにかく豪華絢爛のイスラム趣味がいたる所にゆきわたつてゐる。 グラナダのアルハンブラ宮殿をひとつの街に引き伸ばしたやうな感じ。 (前後したが実際にはグラナダ→コルドバ→セヴィージャの順に見てゐる) カテドラルはモスクの跡地に建てられたがスペインでは最大規模ださうだ。 ヨーロッパの聖堂としてはローマのサン・ピエトロ寺院、ロンドンのセント・ポール寺院につぐ大きさだといふ。 カテドラルのなかのヒラルダの塔はかつてモスクのミナレット(尖塔)だつた。 ヒラルダの塔はその頂上まで階段ではなくらせん状の坂道になつてゐる。 馬ものぼれるやうに。 このカテドラルはイスラム建築とキリスト教建築とが融合した歴史的モニュメントといふことになる。 (コルドバのメスキータもさうだつた)
セヴィージャのホテルは大通りをはさみ城壁のすぐ外にあつた。 聖母ラ・エスペランサ(希望)の安置されるマカレナ教会の向かひ側。 このホテルもアンダルシア風で宮殿のやうに大きくてきらびやかだつた。 部屋もバスルームもぴかぴかの鏡が張りめぐらされてゐる。 なんとなくこの部屋は歌人向きだと思ふ。 ナルシスト向き。 夜の10時過ぎにホテルの前の大通りを渡りマカレナ教会の聖母に会ひに行つたがすでに門は閉ざされてゐた。 熱風のやうな夜風の道をひとり城壁に沿つてとぼとぼ帰る。 ところでオペラ「カルメン」のなかにこの城壁が出てくる。 マリア・カラスがフランス語で歌ふ「セビリアの城壁の近くに」を聴くとそのときを思ひだし感傷的になるのだつた。
セビージャの城壁のそばにある 友達のリリアス・パスティアの店に行くのよ セディーリャを踊りに マンサニリャを飲みに行くのよ 友達のリリアス・パスティアの店に。
だけど、ひとりぢやつまんない ふたりだからこそ楽しいの だから、あたしは一緒に行くのよ あたしの好きな人とふたりで♪
甘つたるい歌詞なのはドン・ホセを誘惑する歌だから。 64年7月に録音のふるへうやうな深くて暗い、聖母の歌声だ。 こののちマリア・カラスの健康と声は衰へてゆく。
写真はユダヤ人街のバルで
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