囚はれのシネマ日記
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ロスト・バゲージ。 紛失荷物。 わたしは過去2回それを経験してゐる。 1度目はイタリアのヴェネチアのマルコ・ポーロ空港で。 寝巻きも着替へも洗面道具もすべて詰めたス−ツケースが届いてゐない。 なにも持たずにぶらりとヴェネチアに行くフランス映画があつた。 それは日本人がぶらりと列車で九州や東北の温泉に行く感じに近いだらう。 日本人なら体だけヴェネチアに運んでもらつても荷物が届かなければ楽しめないだらう、ふつう。
もう1度はフランスから帰国した成田空港で。 おみやげの入つた娘のスーツケースが届いてゐなかつた。 こちらはもう用が済んでゐたのでさして困ることではなかつた。 でも2〜3日後に宅急便で無事にわが家に届くまではやはりやきもきした。
海外旅行はこの2回だけ。 といふことはロスト・バゲージはかなりの頻度で起こるのだらう。 日本人の感覚で言へばなぜ荷物ぐらゐきちんと運べないんだらうと思ふ。 別にむづかしいことでもないのに。 わが国の宅急便はきちんと時間指定で届くぢやないの、と思ふ。 とにかくさういふ訳で機内持込可の小さなスーツケースの需要があるのだらう。 わたしもできればさうしたいと思つた。 紙袋だけで海外旅行してゐるオタク(死語)みたいな男性もときどき見かけたし。 わたしもいつも荷物は少ないタチなのだけれど今回はちよつと無理みたい。 洋服、寝巻き、靴、スリッパ、折り畳み傘、帽子、ガイドブック3冊、おせんべい、蚊取り線香、キンカン… そのすべてが必需品なのだ。 おせんべいは、わたしは醤油味なしでは生きてゆけない体質だから。 (醤油の極小ボトルを持つて行つてちびちび舐めるよりはマシでせう) 蚊取り線香は、一匹の蚊のために眠れない夜を過ごすのが馬鹿らしいから。 キンカンは、蚊に刺されやすいので夏はいつも手元に置いてある。
そしてこれとは別に機内持ち込みのバッグが必要になる。 ロスト・バゲージになつても一晩ぐらゐ過ごせるやうに着替へ、洗面用具、薬、そして貴重品の類はすべてここに詰め込むのであります。 今回はわたしはひとり旅。 といふとカッコイイけれど実はツアーの一員。 わたしの理想はひとりでどんな国へでもぶらつと行ける女性になること。 遠い道のりだと思ふ。
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