囚はれのシネマ日記
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2004年05月28日(金) スウェプト・アウェイ

『月曜日に乾杯!』と『Swept away』をDVDで見る。
『月曜日に乾杯!』はグルジア出身のオタール・イオセリアーニ監督作品。
フランスの農村の生活をドキュメンタリーつぽく撮つてゐる。
華やかなパリの風景も美男美女の恋もない。
カメラはフランスの田舎の風景の印象派的なうつくしさを追ひ求める。
日本の農村もこんなにうつくしく撮れるだらうか?
そのフランスの田舎の化学工場で働く男がふらつとヴェネチアに遊びにゆく。
男には絵心があるのでヴェネチアをスケッチしたいのだ。
ふらつと列車に乗りワインをがぶ飲みしてゐるうちにヴェネチアに着く。
このヴェネチアの風景がうらぶれてゐてまるで映画的でない。
まるで男の人生のやうに。
屋根にのぼつてくすんだ鐘楼や煉瓦色の甍の波の彼方にアドリア海がきらめいてゐるのを眺め「これがヴェネチアだ」とヴェネチアの職人が言ふシーンがあつた。
都市も村も人間もそれぞれ歴史を負ひつつ生きてゐる。
そんなことをしみじみ感じさせる映画だつた。

『Swept away』はリナ・ウェルトミューラーの『流されて』のリメイク。
主演はマドンナ、監督はマドンナのダンナのガイ・リッチー。
アメリカからやつて来たブルジョワたちが休暇で地中海クルージングを楽しむ。
船にはシチリアの漁師とギリシャの料理人が雇はれる。
マドンナは品がないのでブルジョワ階級のマダムには見えない。
腕の筋肉がつきすぎて逞しく無人島に「流されて」もひとりサヴァイヴァルできさうに見える。
『流されて』のマリアンジェラ・メラートの方が気品があつた。
マドンナの相手役の漁師を演じるのは『流されて』のジャンカルロ・ジャンニーニの息子。
こちらは息子の方がずつといい男。
親子二代にわたりマダムの使用人やがて愛人を演じたわけだ。
この映画はリメイクの仕方に新味があつた。
たぶんギリシャの料理人とギリシャの音楽の奇妙な味のおかげだと思ふ。

『月曜日に乾杯!』の「グルジア的」ピアノとチェンバロの音も印象に残る。


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