囚はれのシネマ日記
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| 2004年05月17日(月) |
俺と目的は一体なのだ |
この2〜3日はわりと本をよく読んでゐる。 砂漠で水を求めるやうに乾いたこころを潤すことばを欲したのだらう。 まづ大塚寅彦さんの『ガウディの月』。 そしてセレクション歌人の『小笠原和幸集』『尾崎まゆみ集』『佐々木六弋集』。 そしてセレクション俳人の『櫂未知子集』『筑紫磐井集』。 『林和清集』『大塚寅彦集』『高島裕集』は同時に注文したけれどまだ発売されてゐないらしい。 そのなかでわたしはすつかり小笠原和幸さんのファンになつた。
老父母と鍋をつつくは夜更けて一人めし食ふよりもさびしゑ
<一人旅>誰もお前に関心がないこと思ひ知らせる逆旅
といふやうな歌に笑はせられ、慰められ、そのさびしさにじんと来た。 自著の略歴もいい味をだしてゐて、いかに不如意な人生を送つてきたかを正直にユーモラスに綴つて魅力的だ。 小笠原さんからはわたしの本への礼状の葉書きをいただいて「師事しても、どうぞ、たった一人。松原未知子でいて下さい。」といふことばが印象的だつた。 散文の「歌をつくらせるもの」のなかで彼は素敵なことを告白してゐる。
<しかし、歌集を世に出すことができなくても、一首も活字にならなくっても、「生」の側にいるかぎり俺は歌を作りつづけるにちがいない。きわめて個人的な、そして多分特殊な、はっきりとした、けれど誰にも言いたくない目的があって歌を作っているから。その目的のために歌を作り、その目的が俺に歌を作らせる。俺と目的は、一体なのだ。>
最後の一行、とてもいいフレーズだと思ふ。
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