囚はれのシネマ日記
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2004年04月05日(月) 恩寵のやうな桜

週末には桜を堪能した。
熱海から伊豆高原までの国道沿ひの桜はどこにどんな風情の桜が咲いてゐたか暗誦できる。
何度も往復した道。
もう100回は通つてゐるのだから。
たしかこの辺に大きな桜の樹がと思ふと、その思ひを裏切ることなく桜は必ずあらはれる。
金曜の夜、桜は辻辻に白く発光してゐた。

土曜は松川湖のほとりで春の陽光のもとに透き通るソメイヨシノ、ピンクにしなだれるしだれ桜、紅のじゅうたんのやうな芝桜を鑑賞。
そこにはまばらに農婦や花見客がお弁当を広げてゐるのみなり。
いつぽう観光地の桜はもう盛りをすぎてゐるのに観光客でにぎはつてゐる。

日曜ははじめは雨、やがて花曇りの桜のなかで車を運転した。
わたしは気を使ふので運転があまり好きではない。
でも満開の桜に縁取られた河のほとりを走つたり、咲き誇る桜の古木に出会つたりする驚きは何ものにも変へがたい喜びを与へてくれる。
まるで恩寵のやうに。
それはだいたい桜の名所のやうなところではない。
なんでもない旧道にかぎつて年輪を刻んだ桜がふいにあらはれる。
えらいなあ、とわたし思ふ。
100年ちかく生きてゐるのにまだ花を咲かせて人間を圧倒するのだから。







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