囚はれのシネマ日記
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2004年04月01日(木) 言語の彼方に

『潮だまり』の奥付にわたしの住所は載つてゐない。
それで北冬舎気付で感想のお手紙をくださる方もゐらつしやる。
そのなかに今まで聞いたこともないやうな語彙を使つて丁寧に読みといてくださるお手紙があつた。
小林広一さんといふ方。
どなただらう?
文芸評論家つぽい感じ。
本の贈呈先は柳下さんに任せてしまつた部分もあるのだ。
「たとへて言へば、言葉のなかのことながら、言葉に圧搾されてゐる異物めいた何かを、言語表現された言語の彼方に感じたのです。」
たとへばこんな感じにじわじわと作品集へと侵入を試みて下さるのだつた。
「技巧」とか「言葉遊び」と言ふお手軽な語彙は一言もない。
うれしかつた。
先日の「しつ、お黙り」のメールが創作者としてのエールだとしたら、こちらは愛のあるメスさばきといふやうな感じ。
ある本をどう読むかといふことは、はからずも自分自身を表現してしまふのだと痛感する。
結局人は自分と似たやうなものしか受け入れられないのだと痛感する。

もうひとつうれしいことが。
あこがれの村木道彦さんが「…気付松原未知子様」といふ葉書をくださつてゐた。
そのお手紙も短いけれどとても崇高な印象のものだつた。
内容は秘密です。


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