囚はれのシネマ日記
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2004年03月18日(木) 伊太利亜

岡井さんに贈つていただいた歌集『伊太利亜』をひも解く。
といつてもこの歌集は簡易包装ではない。
かなり複雑包装である。
なので本を裸にするためいくつかの手間をとらせるやうな造本なのだ。
まづ函からひきずり出す。
それも常とは異なり函の上部に口が開いてゐるので、さかさまに函をゆすつて本の頭があらはれるなり手をもちかへてそつとひき抜く。
縦長の本体があらはれたと思ふと、それはじつは横長なので向きをかへる。
横長の本には透明なカヴァーがかかつてゐる。
横長で透明なカヴァーは滑りやすいので外してをかないとずれてくる。
カヴァーを外し表紙をめくる。
洋書のやうに左からページをめくる造本なのだ。
本文は横書きの多行形式で1ページ1首か、多くても2首組み。
余白がたつぷりとられてゐる。
いろいろな意味でとても余裕がある歌集だと思ふ。
横書きはイタリア語の表記にとつてふさはしい。
そして水平移動するイタリア旅行を象徴してゐるやうにも感じられる。
列車でバスで船で。
白い余白の海をゴンドラでゆつたりと進んで行くやうな気分になる。
いや多行形式の歌が舟そのものに見える気分、といへばいいのか。
『中国の世紀末』で長江を下つた舟がヴェネツィアの運河に浮かんでゐる。
苦しむ河が熟成の運河になつてゐた。




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