囚はれのシネマ日記
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| 2004年03月15日(月) |
マシュー・ボーンの「くるみ割り人形」 |
去年観たマシュー・ボーンの『白鳥の湖』。 あの衝撃は忘れがたかつた。 男性ダンサーが白鳥を踊るのだ。 もの凄く筋肉的に野性的に。 わたしが観た日はアダム・クーパーではなく首藤康之が踊つたことが少し心残りではあつたけれど。 あの「白鳥」を観たら「くるみ割り人形」はおままごとに見える。 孤児院のクリスマス、凍つた湖でのスケート、お菓子の国、結婚式… 極彩色のファンタジーといふ点では完璧に作られてゐる。 その舞台はプリンセス・シュガーやプリンス・ボンボンやマシュマロ・ガールズや白い羽毛や粉雪や巨大なケーキや飴やチョコやおもちやが氾濫してゐる、巨大なおもちや箱そのものだ。 ピンクと水色と白がベースの舞台美術はうつとりするほど快楽的だ。 なにも考へずにそのファンタジーに付き合へば愉しかつただらう。 しかしわたしはある問題を抱へてその舞台を観てゐた。 とてもじやないけどそんなおめでたい世界に遊ぶのとはほど遠いところにゐた。 ある作品と出会ふタイミングがあるとしたら、その「くるみ割り人形」とは最悪の出会ひをしたといふことになる。 ちなみに席は前から7番目のほぼ真ん中といふ幸運なものだつたのに。
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