囚はれのシネマ日記
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| 2004年02月09日(月) |
生田耕作さんの顔が見たい |
ジャン・ジュネの『葬儀』を読んでゐる。 読み終へたと言ひたいところだけれどさうは決してならない。 何回か随意にページを捲つておもしろさうなところから読みはじめる。 そんな風にしてもう10回は読みはじめて読み終はらないでゐる。 語り手の恋人・ジャンはレジスタンスの闘士でありドイツ兵に殺される。 そのジャンの葬儀から話は始る。 そのジャンの母親の愛人であるエリックはナチの戦車兵である。 そのエリックは対独協力兵のリトンと関係する。 そのエリックはベルリンの死刑執行人(首切り役人かな)と関係する。 殺されたジャンの兄・ポーロはヒットラーと関係する。 語り手はリトンに変身するかと思へば、ふいに首切り役人になり、いつのまにかヒットラーになり、男と関係してゐる。 荒唐無稽、支離滅裂ではあるが、とにかく同性への性衝動のはげしさといふ点では 首尾一貫してゐる。 だから語り手はレジスタンスの闘士と、ナチスと、対独協力兵と無差別に関係する。 関係するとはつまり男色行為である。 政治的立場はなんでもいいんである。 美少年であつたりマッチョであつたりはするが性的魅力さへあれば。 この本のガリマール版テキストは大幅に削除されてゐたらしい。 同性愛行為の描写とナチス賛美の記述の部分が。 それは400字詰め原稿用紙150枚分にもおよぶと言ふ。 生田耕作氏はこの「極北」ポルノを無削除・完全版で訳した。 あつぱれと思ふ。 わたしはバタイユの『マダム・エドワルダ』もマンディアルグの『満潮』もこの人の訳で読んでふかく感じ入つた。 この人の日本語はすごーくいいんである。 フランス文学の異端ばつかりこつこつと言ふか、ばりばり訳して1994年に亡くなつてゐる。 たぶんすごく素敵な風貌の人だつたのでは?
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