海を進む
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忘れたくないことがいっぱいある。 非常階段に出ると見える夜の高層ビル群。 会社近くのお寺のライトアップされたしだれ桜。 飼っていた猫が死んでしまったと話す同僚の涙。 他に誰もお客がいないラーメン屋で長崎ちゃんぽんを食べたこと。 合わせ鏡で自分の髪を見て与謝野晶子の歌を思い出したこと。 テレビから聞こえたピアノの曲の断片に涙が出そうになったこと。 ぜんぶぜんぶ、どんどん昔のことになっていくのがとても怖い。 思い出になるならまだいいけれど、忘れてしまうのがとても寂しい。最近。 どうしてだろう。
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