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2002年09月17日(火) おっさん達のハードボイルド

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新聞というのは怖い。
意外な人間の意外な年齢がバレる。

大阪法善寺横丁に火事見舞いに現れた放送作家の新野新、年齢が67歳とあった。
一瞬ふ〜ん…と思ったが、後3年で70歳か…と思ったら、改めてそんな年だったのかと驚く。
昔、笑福亭鶴瓶と並んで写っていた頃、そんなに差があるようには思っていなかった。
ちなみに鶴瓶は今50歳だとある。

広域帯ラジオのアンテナをくるくる回して、ザリザリいう雑音の中から微かに聞こえる
「ぬかるみの世界」に耳をすませていたのはいつの事だったろうと、感慨深かった。

***

おっさん萌えも極まれり…である。

昨夜TVの単発ドラマで「タスクフォース」というのをやっていた。
最先端技術の全権を任されたサラリーマンの身辺に、次々起こる殺人や暴行。
知らぬ間にその技術奪取のための企業間から防衛庁、果ては海外のスパイまでもが関わって来る
謀略に巻込まれて行く…というハードボイルドである。

全編を一介のサラリーマンの目線で描かれているため、物々しいコスチュームに
身を固めた怪しい一団がずらずら…という様な場面はほとんど無い。
彼に見えるのは、事件の全容のホンの断片でしか無い。

主人公は殺されない…という鉄則の下、彼は当局から泳がされている身で、
本人はタコ殴りにされるくらいが関の山、家に残された妻と娘も、庭のブランコに
ニワトリの死体が吊るされる程度で、危害の一つも加えられはしない。
しかし、友人が暴行され、また殺害され、部下が消え、偽の防衛庁職員が現われ、
車は度々尾行され…と、徐々に誰が敵で誰が味方かが判らなくなって来る…。

そもそも新聞の番組紹介の、女優が出てこない、脂ぎった男たちが活躍…
という殺し文句(笑)につられて見たのだが、本当におっさんばっかりのドラマだった。
女優らしい女優と言えば、釈由美子くらいのもの。
それも、目立たない秘書役で、一度だけ優しさと気遣いで無残な姿になった
上司の机に花を飾ろうとして、疑心暗鬼の上司に投げ棄てられる…という可哀想な役だった。

後は全〜部、おっさん、おっさん、おっさん…そしてまた、おっさん。
ただし、脂ぎったおっさん…というイメージはあまり無い。
どちらかというと燻し銀の魅力…という印象であろうか。

みんな闘っている。

時に飲み屋でクダを巻きながらも、黙々と闘い続けている。
会社は守っちゃくれない… それでも、自分の為に闘い続ける。
ただ、黙々と、黙々と…。
それが、おっさんの強さなのかもしれないと、ふと思った。

前半1時間、まるっきり出てこなかった竹中直人が、後半一番美味しい所を
一人でかっ攫って行った。
あの竹中のへらへらした笑いが全く無く、ひたすらシリアスで凄味のある竹中だった。

そして主人公の三上博史はちょっと物足りなかった。
この三上博史という役者さん、少し前のTVドラマ陰陽師で阿倍晴明を演っていた人なのだが、
いささか情けな系で、おどおどした印象が強い。
前半、周囲で起こる事態に困惑し怯えている時点ではその雰囲気が似合ったが、
後半、決意を固めて本気で闘い出した時にはもう少し迫力があって欲しい物だった…
というのは、我が儘か。

どこに敵が居るか判らない、危機管理の重要さを提起した甘えの無いラスト、
おっさん達はこれからも闘い続ける。

 +++

このドラマを観ていて、昔のアニメ「機動警察パトレーバー」の映画版を思い出してならなかった。
都市壊滅を狙いコンピュータウイルスをばら撒いて死んだ帆場瑛一の足跡を追って、
灼熱の都会の裏側を黙々と歩き続ける刑事達の、その姿がチラついてならなかった。

パトレーバー映画版を、もう一度観たいと思った。
あれもある意味、ハードボイルドだったのかもしれない…。

***

結局観てしまいましたぜ〜、劇場版機動警察パトレーバー1作目。

いやいや久々に見たけど、憶えている以上に後藤さんの凄味全開でしたな。
とぼけるとぼける、韜晦もするする、そして改めて感じる切れと覚悟…。

あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 後藤隊長ぉ!
カッコ良えよぉぉぉぉぉぉぉ!!!


***

つ事で、今日読了の本は明日書きます。
んで、明日からは今回の本命本、読み始める予定です。


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