明後日の風 DiaryINDEX|past|will
4両編成の電車が奥多摩駅を目指して走っている。 御前山への道は、取り付きからすぐさま急登となる。登るに連れて視界は広がり、眼下の奥多摩湖のブルーが広がってくる。1,000m近い標高差は決して楽を許してはくれないのだが、眺望が最高のカンフル剤になる。 勾配はあるものの広くて歩き易い道に、我々は軽快に進んでいく。カタクリの群落が登山道の両側に続くというのが有名なのだが、春の訪れの遅かった今年は、まだまだ花には程遠い。時折、日差しの中に紫色の美しい花を咲かせていた。とぼけたカタクリ、というところだろうか。 2時間少しで山頂に到着。数組のパーティーがランチタイムを楽しんでいた。 登山初心者の某くんは、登山の休憩の時から菓子パンばかり食べている。 「パンばっかりだねぇ〜」 と尋ねると 「甘いものがいいと思って、パンばっかり買ってきました。しょっぱいものが食べたくなるんですね。失敗しました・・・。唐揚げおいしそうで・・・。」 隣の御仁が食べていた「唐揚げ弁当」がさぞかしうまそうだったのだろう。 見かねたリーダーが、「しょうゆ煎餅でも食べる」と一言。初心者君、恵みの「しょうゆ煎餅」をおいしそうに頬張っていた。 「気持ちいいですねぇ〜」 という言葉が広がる。まあ、皆で歩いて来てよかったな、と思える春の一瞬だ。
さわ
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