明後日の風
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2010年11月28日(日) う〜ん、いい

 目の前に双子の山頂を持つこんもりとした山がある。
 山頂近くにある観音堂から「ご〜ん」という鐘の音が聞こえて来る。
 まだまだ昼下がりという時間だが、晩秋の日の傾きは早い。
 カラスが鳴いて、
 「そろそろ夕暮れか?」
と錯覚しないこともない、そんな風景がそこにある。

 麓の駐車場に車を停めた我々は、
「あ〜、これから山に登るの。ご苦労さんだねぇ」
という、茶店のおばちゃんの声に見送られて歩き出したのだ。このあたりは蕎麦が有名らしく、この茶店もご他聞に漏れず「蕎麦」を出している。
「下山したら食べよう」
まあ、そういう気分になるところは、おばちゃんの声の賜物だ。

 広い道路は林道となり、落ち葉の敷き詰められた登山道への道は続く。やがて、鎖やロープが表れ、やっと一人が登れるか、という感じの道になると山頂は近い。

 広場に出た。欅に囲まれた山頂は、その変幻自在な色彩に包まれている。
「う〜ん、いい」
一言・・・。




 超極太の田舎そば。
 軍鶏の温かいだし汁につけて蕎麦を啜りながら、月居山(つきおれさん)は、本当の夕暮れ時となった。


さわ