明後日の風
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目の前に双子の山頂を持つこんもりとした山がある。 山頂近くにある観音堂から「ご〜ん」という鐘の音が聞こえて来る。 まだまだ昼下がりという時間だが、晩秋の日の傾きは早い。 カラスが鳴いて、 「そろそろ夕暮れか?」 と錯覚しないこともない、そんな風景がそこにある。
麓の駐車場に車を停めた我々は、 「あ〜、これから山に登るの。ご苦労さんだねぇ」 という、茶店のおばちゃんの声に見送られて歩き出したのだ。このあたりは蕎麦が有名らしく、この茶店もご他聞に漏れず「蕎麦」を出している。 「下山したら食べよう」 まあ、そういう気分になるところは、おばちゃんの声の賜物だ。
広い道路は林道となり、落ち葉の敷き詰められた登山道への道は続く。やがて、鎖やロープが表れ、やっと一人が登れるか、という感じの道になると山頂は近い。
広場に出た。欅に囲まれた山頂は、その変幻自在な色彩に包まれている。 「う〜ん、いい」 一言・・・。
超極太の田舎そば。 軍鶏の温かいだし汁につけて蕎麦を啜りながら、月居山(つきおれさん)は、本当の夕暮れ時となった。
さわ
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