明後日の風
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2010年11月21日(日) 京都の昼と夜

「夏が暑かったなんて、忘れちゃいましたねぇ〜」
関西弁の脳天気な声がラジオから聴こえて来る。

「そうそう」
と心で相槌を打ちながら、僕は友人の車の助手席に乗って、京都の街を眺めている。

秋。

全国各地からの観光客で京都の街は溢れている。
「この飛び石連休がピークちゃう」
京都在住の友人は「いつもそんなもんだ」という風で、あまり関心はないようだ。

車は駅から北に向かった。堀川通り。幕末所縁の壬生寺、二条城。御池通りに入り、東へ。
「新しいビルが建ったなぁ〜」
洒落た古都というイメージが溢れる街に、御池通は変貌していた。昔から変わらないのは京都市役所くらいだろうか。

観光客集積地の鴨川を渡り、昔は京阪電車が走っていた川端通りを南下する。
渋滞は酷いものだが、正直、この時期の京都を感じるには悪くないルートだ。

僕にとって、めっきり夜を楽しむ場所になってしまった京都。その日本的な落ち着きを好んでいるのだが、久しぶりに昼間を眺めると、その違いがあからさまになる。なんとなく京都の目指すところは、ヨーロッパの香りらしい。

初冬の頃、観光客が去った頃に、静かに歩いてみたい、そう思った。


さわ