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ひびたわ。 INDEX|past|will
主人が、電話をかけてくる、といって出て行きました。 私は、1号と2号を抱きしめていました。 すると、見知った小児科の先生が、やって来ました。 「おかあさん。。おかあさん。。つらいなぁ、つらいなぁ」 女医さんでもあり、こちらに越してきてからずっと診ていただいてる先生がいらして、 また私は泣き崩れました。 先生は、私の背中を必死でさすってくれました。 「会えますか。。。」 あの子に、会いたかった。 早く、会いたかった。 「待ってな、今まだ処置してるから。すぐにあわせてあげるから、もう少し待ってな」 先生は、そばにいた看護婦さんに、見てくるように指示してくれました。 待ってる時間がもどかしかった。 先生は、その気持を察してくれていたのでしょう、 何度も何度も、もう少しだから、今写真とったりしてるから(レントゲンですね) もう少し待ってね、と繰り返し、何度も看護婦さんに尋ねてくれていました。 看護婦さんが、3号を抱いてきました。 バスタオルに、くるまれていました。 眠っている、ようでした。 「抱かせてください。。。」 看護婦さんは、ちょっとためらい、先生のほうを見ました。 先生は、いいよといってくれて、私の腕の中に3号が帰ってきました。 ぎゅっと抱きしめて、ほお擦りしました。 冷たく、なっていました。 体も、こわばってきていました。 愛しい、愛しい、我が子。 「小児科のほうへいこうね」 促されて、廊下を歩いていきました。 今まで何度も入った、小児科の診察室。 1週間前にも、1歳前の健診で来たばかり。 あの時3号は、大暴れして、体重も身長もはかるのに一苦労だった。 あんなに泣いて暴れたのに。 今は動かない。 ベッドに寝かせるようにいわれました。 本当は、離したくなかったけど、いわれるままに寝かせました。 バスタオルをはずすと、下に病院の病衣(寝巻きみたいなやつです)を着てました。 小さな、小さな体。小さな病衣。 主人と1号、2号も入ってきました。 いつもどおりの、寝顔の3号。 顔色が、いつもより白いだけで、唇が少し青いだけで いつもどおり、眠っているようにしか見えない。 ただ冷たくなった頬が、手が、足が、 彼女の命が、消えたことを証明している。 泣きました。 主人も、子供たちも泣いていました。 横たわる3号に、覆い被さるように、主人が泣いていました。 私は床に崩れ落ち、床を転げ回るようにして泣きました。 体中の神経が、血管が、切れてしまいそうな感覚が全身を襲っていました。 彼女の名前を叫んで泣きました。 ごめんね、ごめんねと泣きました。 お母さんが、悪い。 お母さんが、殺してしまった。 お母さんが、君の未来を、奪ってしまった。 まだ1歳にもならなかったのに。 これから先、どれほどかの未来があったはずなのに。 お母さんが、みんなみんな奪ってしまった。 ごめんね、ごめんね、ごめんね・・・・・・・・! 私は、看護婦さんと先生に両脇を抱えられ、別室に連れて行かれました。 点滴などをする、ベッドがいくつも並んだ部屋。 「おかあさん、ここにいて・・落ち着いてって言っても無理だろうけど、 お母さんが倒れてしまうから・・・」 ベッドに突っ伏したまま泣きました。 看護婦さんが一人、ずっとついて、抱きしめて、背中をさすってくれていました。 「なんでっ・・・いつもどおり、だったのにっ・・・・」 「そうやね、そうやね、いつもどおりやったんよね・・・」 「私がっ・・・私が悪いっ・・もっとちゃんとっ・・・」 「違う。それは絶対違うよ、お母さんが悪いんと違うよっ」 泣きながら、狂ったようにつぶやく私に覆い被さるように抱きしめて 背をさすりながら、看護婦さんも辛そうに、泣いてくださっていた。 「全部出して。我慢したらあかんよ。ここで全部出して。 お母さんは絶対悪くないよ。。。」 全身に力が入らない。涙が噴き出してくる。 違う、私が悪い。。。きっと、息が出来なかったんだ。 布団にすっぽりもぐってたもの。 いつも大丈夫だったからって、今日が大丈夫だって保証なんかないのに。 息が出来ないまま、窒息して死んでしまったんだろう。 泣き声にも、もしかして気づかなかっただけじゃないのか。 苦しんで、苦しんで、死んでしまったんだろうか。 あんな小さいのに。まだあんなに小さいのに。 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんね、ごめんね・・・・・ この時点で私は、窒息死だと思っていました。 SIDSなんて、頭によぎりもしませんでした。 窒息死は苦しいと聞きます。 苦しませて、死なせたのかと思うと、かわいそうでならなかった。 申し訳なくて、たまらなかった。 そのあと、話を聴きたいと、警察の方がみえました。 2人ばかりに話を聞かれたと思うのですが、 そのとき、どちらかの方が、はっきりとした言い回しは覚えていないのですが 窒息じゃないと思う、というようなことをちらりとをおっしゃいました。 ただ、そのときはまだまともに私の耳に入っておらず、 後で思い返すと、そういえばそんなこと言ってたような・・という記憶です。 ただ、問われるままに質問に答えていました。 一通り答え終わると警察の方は出て行きました。 やたら事務的な会話をしたせいで、一応気の狂いそうな感覚からは脱出していたものの、 なんだか、夢の中にいるようでした。 警察の方のいた間、そばを離れていた看護婦さんがもう一度来られました。 夜勤の交代の時間か何かだったようで(周囲の会話からするともっと前に 交代だったのでしょうが、泣いてる私についててくださったようです) これで失礼しますけど。。と挨拶してくださいました。看護婦さんもまだ泣いていました。 私は、ありがとうございました、と頭を下げました。 しばらくすると、刑事さんが戻ってきて、家のほうに行きたいといいました。 寝ていた現場を見せて欲しいとのことでした。 私は、刑事さん二人と、病院を後にしました。 歩いて、2〜3分のマンションへとふらふらと歩きました。 途中、奥さん大丈夫ですかと何度か声をかけられつつ、 大丈夫です、といいながら、歩いていました。 足の裏の感覚がおかしくなってて、雲の上を歩いているようでした。 見慣れているはずの景色が全然見知らぬ場所のようでした。 読んでくださった方ありがとうございます。 ごめんなさい、明日に続きます。
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