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「槞梛俚庵(るなりあむ)


時折綴

2004年06月22日(火) 寂しさの縮図

台風が熱を置いていった。
肌をじりじり焼く強い陽射しが照りつけ、おまけに湿度も高くて
耐えがたい暑さになった。
わたしの一番苦手な暑さ。
湿度さえ低ければ、大丈夫なのに――。

またイヤな事件が起きた。
これはこの時代が生んだ「寂しさの縮図」なのかも知れないと思った。
中学2年生の女の子が、5歳の男の子を5階から突き落としてしまった。
女の子はお母さんがマレーシアの人で、日本で生まれたのだけれど
お父さん(日本人)の暴力がひどくて、一度マレーシアに帰ったんだそう。
でもそこでも虐待にあって、また日本へ逃れてきたのだって。
小学校に通うことになっても、周囲と溶け込めず、問題ばかり起こしては
補導されていたそう。
ほとんど通っていないから、卒業アルバムにも彼女の顔写真は載っていないのだそう。
そんなだから中学にも行っていない。
注意すればすぐにキレる。
先生を給食の牛乳瓶で殴ろうとしたりしたそう。
小学校で飼っていたウサギを殺して、面白がってみんなにみせたり、
死んで埋葬したハムスターを、友達に掘り返させて、反応を見て楽しんだりしていたという話。
彼女のこういう攻撃性は、助けてほしいという心の叫びの表れだったんじゃないのかな。

彼女には、やすらげる家庭も、包み込んでくれる愛情もなかったんだね。

母親と衝突してしまうから、保護してほしいと自分で児童保護施設に来ていたというから、何とか救ってあげられなかったのかな…と思ってしまう。
実の母親にさえ救いを求められず、たった独りで彷徨っていた少女。
孤独だよね…。孤独は苦しいよね。
言葉を教え、理解し、包んであげる存在の人がひとりでもいたら――。

落とされた男の子も、お母さんがパチンコをしている間、お小遣いをもらって
ゲーセンで遊んでいたそうだ。
わたしも時々ゲーセンに行くんだけれど、小さな子がよく来てる。
ゲームやってると、横から親しげに話し掛けてくるんだよね。
「おばちゃん♪すごいねっ★」
相手してあげると、きれいな瞳を輝かせて、いろんな話をしてくるの。
帰ろうとすると、ひきとめるんだよね…。

突き落とした子も、落とされた子も、寂しい心を満たす場所がゲーセンで、
心を開く相手がゲームだけだったなんて…。
なんて哀れなんだろう。

この事件、犯罪は犯罪だ。
少女は罪を償わなくてはならない。
けれど周囲の大人は見て見ぬふりをするんじゃなくて、きちんと子供たちに向き合って行かなくてはならないと、考え直す必要があると思ってる。


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冰月まひな [MAIL] [HOMEPAGE]