女の世紀を旅する
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2003年12月31日(水) さらば2003年! 内外の十大ニュースと物故者

《 さらば2003年! 内外10大ニュースと物故者》

                   2003.12.31


 共同通信社は12月23日、加盟新聞社、テレビ・ラジオ契約社の合同投票で2003年の
内外10大ニュースを選んだ。






【10大ニュース国内編】

2003年の日本は激動するイラク情勢に揺れた。イラクで11月、日本人外交官2人が殺害された悲劇は、戦後復興に日本がどうかかわるのか、という問いをあらためて突きつけた。
日米同盟重視の立場から米、英軍のイラク攻撃を全面支持した小泉政権は、自衛隊派遣へ踏み出した。 7月にイラクへ自衛隊を派遣するイラク復興支援特措法を成立させ、12月に自衛隊派遣の基本計画を策定したが、現地の治安への不安は高まっている。
初のマニフェスト選挙となった衆院選は、政権交代を訴えた民主党が躍進した。自民党に対立する野党として過去最大となり、本格的な二大政党時代の幕開けを告げた。また、国民の生活に深くかかわる個人情報保護法、有事関連法が相次ぎ成立した。
凶悪犯罪の低年齢化や長引く不況が不安を深めた年でもあった。長引くデフレ下の経済は、りそな銀行と足利銀行に金融危機の回避措置がとられた。かすかに景気回復の兆しもみられるが、地方の地盤沈下はさらに進行した。
長崎の男児殺害事件に代表される凶悪犯罪の低年齢化や、外国人犯罪の多発は、安全神話崩壊をさらに進めた。また12月23日,米の牛海綿状脳症(BSE)感染で日本政府は新たな米国産牛肉の輸入を停止。吉野屋などの牛肉を扱う店に大きな衝撃が走る。



●1位 邦人外交官2人がイラクで殺害

11月29日、イラク北部のティクリット付近で、在英国大使館の奥克彦参事官(死後大使に昇進)と在イラク大使館の井ノ上正盛書記官が乗った車が銃撃され、二人とも死亡。日本政府、米軍とも襲撃状況からテロとほぼ断定した。イラク戦争開戦後、日本人の犠牲者は初めて。


●2位 衆院選で民主躍進、二大政党時代へ

11月9日投開票の第43回衆院選は、自民党が議席を減らしたが、公明、保守新との与党三党で絶対安定多数の275議席を獲得した。民主党(菅直人代表)は177議席で解散時より40議席増の躍進、共産、社民両党は大幅減。保守新は自民に合流し、自民、民主の本格的な二大政党時代に入った。


●3位 長崎男児殺害など少年の重大事件相次ぐ

7月1日、長崎市で幼稚園男児がビル屋上から突き落とされて死亡。中学1年の少年が補導された。六月に沖縄県で中学生が殺害され、高校、中学生計3人を補導。7月には東京・渋谷で小6女児4人が監禁される事件があり、凶悪犯罪の低年齢化や少年が巻き込まれる事件が目立った。



●4位 有事関連法が成立

6月6日、日本が他国から武力攻撃を受けた場合の自衛隊を中心とする対処方針を定めた有事関連法が、野党の民主、自由両党も賛成し成立した。11月には政府が、武力攻撃や大規模なテロ攻撃を受けた際の住民避難や救援策を定める国民保護法案要旨をまとめた。


●5位 イラク復興支援特措法成立、自衛隊派遣へ

7月26日、イラクに自衛隊を派遣するイラク復興支援特別措置法が成立した。米軍支援や戦後復興が目的。政府は12月9日、派遣可能期間を同月15日から1年間とする基本計画を決定。戦闘が続く外国領土での自衛隊の本格活動は初めてとなる。


●6位 りそな銀に公的資金、足利銀は国有化

5月17日、政府は過小資本に陥ったりそな銀行へ約二兆円に上る公的資金投入を決めた。初の金融危機対応会議による決定。また11月29日には、債務超過に陥った有力地銀、足利銀行(宇都宮市)の一時国有化を決めた。


●7位 阪神タイガースが18年ぶりリーグ優勝

プロ野球セ・リーグの阪神タイガースが9月15日、1985年以来18年ぶり四度目のリーグ優勝を決めた。星野仙一監督率いるチームの快進撃は全国に猛虎ブームを巻き起こし、トップ選手の大リーグ流出で人気低下が懸念されるプロ野球の救世主となった。


●8位 自民党総裁に小泉首相再選、中曽根、宮沢両元首相が引退

9月20日の自民党総裁選で、小泉純一郎首相が亀井静香前政調会長ら他の三候補に大勝。橋本派分裂で野中広務元幹事長が政界引退を表明、中曽根康弘、宮沢喜一両元首相は定年制適用で11月の衆院選出馬を断念するなど、世代交代が進んだ。


●9位 松井秀喜選手が大リーグ・ヤンキースで活躍

ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手は2割8分7厘、16本塁打、106打点の成績でチームの地区優勝に貢献した。新人王は逸したが、公式戦全試合とオールスターを含め、全大リーガー最多の181試合に出場した。
(シアトル・マリナーズのイチローの活躍も素晴らしかった。)


●10位 個人情報保護法が成立

5月23日、民間業者や行政機関に個人情報の適正な取り扱いを求める個人情報保護関連5法が成立した。報道規制や行政による個人情報不正利用への懸念の解消が課題だ。これを受けて住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)が本格稼働した。




【10大ニュース国際編】

 イラク戦争を中心に、世界が悲劇と不安に覆われた年だった。さまざまな亀裂が、不吉な予感とともに国際社会に広がった。十大ニュースのうち少なくとも八本は悲しみや恐れを人々に振り返らせる出来事となった。国連を舞台にイラクの大量破壊兵器問題で論戦が続き、武力行使容認決議をめぐる各国の対立が深刻化した中、米英両国は3月20日、イラク攻撃に踏み切った。世界に渦巻いた反戦運動も武力行使を止めるには至らなかった。4月にバグダッドは陥落、フセイン元大統領も12月に拘束された。しかし、政権崩壊後も米兵ら「占領軍」への襲撃はやまず、国連、赤十字、外交施設などにテロの標的は拡大。混迷するイラクに光は見えない。
 多数の犠牲を出すテロはインドネシア、トルコでも起きた。さらにテロ組織アルカイダは11月、東京もテロの対象にすると警告した。新型肺炎(SARS)の流行も人々を不安に陥れた。アジアを中心に経済への打撃も大きかった。今年後半になって感染は終息したが、再び大流行する可能性もある。日本にとっては、核開発カードを切る北朝鮮の瀬戸際外交も脅威。国交正常化交渉の行方は見失われたままだ。中国が有人宇宙船打ち上げに成功した。一国主義を強める米国と近い将来、覇権を争うといわれる中国の急成長ぶりを象徴した出来事でもあった。また12月26日にイランで大地震,ケルマン州の古都バムでM6.3。死者2万超,負傷者3万以上。



●1位 米英のイラク戦争、フセイン元大統領を拘束

米英軍は3月20日、イラク戦争を開始。ブッシュ米大統領は5月1日、大規模戦闘の終結を宣言した。フセイン元大統領は逃亡し12月13日、8カ月ぶりに拘束された。しかし、全土で戦闘は続き、米兵死者は400人以上、イラク側死者は兵士、民間人合わせて2万人以上とみられる。


●2位 新型肺炎(SARS)が世界的に流行

2月ごろから香港やベトナムなどで高熱、呼吸困難の症状が出る新型肺炎(SARS)の患者が発生。夏に終息するまで、カナダ、ドイツなど世界30カ国以上に拡大。世界全体で感染者は8000人以上、死者は700人以上に達した。アジア経済に大打撃。


●3位 北朝鮮の核開発めぐり6カ国協議

1月10日、北朝鮮は核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言。8月の北京での日米中韓などとの6カ国協議では核保有宣言や核実験の可能性に言及するなど「核カード」を使った瀬戸際外交を続けた。


●4位 テロ続発でイラク復興混迷

広範な立法・行政権限を持つ、イラク人による「統治評議会」が7月13日、米軍の主導で発足。しかし、国連、赤十字、各国大使館などへの自爆テロが続発、治安は悪化し、復興の道筋は見えない。


●5位 中国で胡‐温体制がスタート

3月、中国の第十期全国人民代表大会は江沢民主席の後任に胡錦濤(こきんとう)副主席、朱鎔基首相の後任に温家宝(おんかほう)副首相を選出、胡‐温体制が発足した。貧富の格差拡大など、急成長する中国経済のひずみ是正が新体制の課題となる。


●6位 スペースシャトルが空中分解、乗員死亡

2月1日、米スペースシャトル「コロンビア」が、帰還の直前に空中分解、初のイスラエル人宇宙飛行士を含む乗員7人全員が死亡した。打ち上げ時に脱落した断熱材の破片が、左翼前縁部にぶつかって損傷したことが事故の主原因だった


●7位 イラク対応で米欧に亀裂、反戦の波が世界を覆う

イラクに対する国連安保理の武力行使容認決議案にフランス(シラク大統領)、ドイツ(シュレッダー首相)、ロシア(プーチン大統領)などが反対、決議がないまま米国と英国は武力行使に踏み切り国際社会に大きな亀裂が生まれた。3月には欧州などを中心に参加者数万人規模の反戦集会が繰り返された。


●8位 中国が初の有人宇宙船打ち上げ

中国は10月15日、旧ソ連、米国に次ぎ世界で3番目の国として楊利偉中佐を乗せた有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げに成功した。技術力を見せつけ、宇宙大国の仲間入り。


●9位 パレスチナ和平はテロと報復攻撃で足踏み

米国と国連、ロシア、欧州連合(EU)の4者が策定したパレスチナ新和平案(ロードマップ)が4月30日発表された。パレスチナ暫定国家の樹立などを柱とした内容だったが、自爆テロはやまず、イスラエル側は軍事行動を強化。ロードマップは宙に浮いたままとなった。


●10位 ジャカルタなどで爆弾テロ続発、アルカイダが東京にも警告

インドネシアの首都ジャカルタの米国系ホテルで8月5日、東南アジアの地下組織ジェマ・イスラミア(JI)によるとみられる爆弾テロが起き、13人が死亡。トルコでは11月15日、ユダヤ教会堂爆破で23人、同20日の英総領事館など爆破で28人が死亡。オサマ・ビンラディン氏は音声テープで日本などに警告。11月21日にはアルカイダが「日本の自衛隊員がイラクの土地を踏み次第、東京に侵入、攻撃する」と再び警告の声明。






★【2003年 哀悼】
【国内】
1月12日 深作欣次(72歳)  映画監督「仁義なき戦い」「バトル・                 ロワイヤル」など
1月16日 秋山庄太郎(82歳) 写真家。女性写真の第一人者
2月15日 奥田元栄(90歳)  日本画家。鮮烈な赤色で山岳を描く
3月02日 生島治郎(70歳)  作家。日本のハードボイル小説の草分け
3月07日 黒岩重吾(79歳)  社会派推理作家。古代の歴史小説
3月14日 鈴木真砂女(96歳) 俳人。小料理屋も切り盛りし,波乱の                 恋を旬に託す
3月23日 天本英世(77歳)  俳優
4月01日 鯨岡兵輔(87歳)  元衆議院副議長。ロッキード事件の真                 相追及を主張
5月28日 藤田省三(75歳)  思想史家。天皇制の精神構造を分析
6月20日 松本弘子(67歳)  東洋初のパリコレクション・モデル
6月24日 名古屋章(72歳)  俳優。舞台・テレビなどで幅広い役柄
7月05日 桜内義雄(91歳)  元衆議院議長。自民党幹事長を歴任
8月09日 沢たまき(66歳)  歌手。公明党参議院議員
9月02日 笈田敏雄(78歳)  日本のジャズ歌手の草分け
9月05日 青木雄二(58歳)  漫画「ナニワ金融道」の作者
9月25日 夢路いとし(78歳) 漫才師。弟と組み,大阪弁でボケ役
10月31日 本郷かまと(116歳)長寿世界一。世界最高齢を引き継いだ      川手ミトヨ(114歳)も11月13日死去
11月01日 ジョージ川口(76歳)ジャズドラマー。渡辺貞夫,山下洋                  輔,日野晧正らを育成
11月26日 小林千登勢(66歳) テレビ俳優
12月26日 白井義男(80歳)  日本人初のプロボクシング世界王者
12月27日 風間完(84歳)   「青春の門」などの小説の挿絵画家 



【海外】
4月01日 レスリー・チャン(46歳)  香港俳優。歌手。自殺

5月14日 ロバート・スタック(84歳) 俳優。テレビ「アンタッチャ      ブル」で連邦捜査官役で人気化

6月12日 グレゴリー・ペック(87歳) 米俳優。映画「ローマの休       日」「アラバマ物語」「大いなる西部」「ナバロンの要塞」など

6月29日 キャサリン・ヘップバーン(96歳) 映画「アフリカの女       王」「旅愁」などに主演。「黄昏(たそがれ)」でアカデミー主演女優賞

7月25日 ジョン・シュレシンジャー(77歳) 映画「真夜中のカウボ      ーイ」の監督

7月27日 ボブ・ホープ(100歳) 米喜劇俳優。映画「腰抜け二丁拳      銃」など多数。「アメリカ一おかしな男」と呼ばれる

8月30日 チャールズ・ブロンソン  米俳優。映画「荒野の七人」など


9月08日 レニ・リーフェンシュタール(101歳) ベルリン五輪記録      映画「民族の祭典」などのドイツの女性監督

9月09日 エドワード・テラー(95歳) 理論物理学者。米の原爆開発      に参加,「水爆の父」

9月28日 エリア・カザン(94歳) 米映画監督。ジェームス・ディー      ンが出演した映画「エデンの東」や,「欲望という名の電車」

10月23日 宋美齢(106歳) 故蒋介石・台湾総統夫人






カルメンチャキ |MAIL

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