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■ 100匹の羊
松井秀喜・・・27歳 プロ野球に興味のない人でも、この名前を耳にしたことはあると思う。 彼は今年、読売巨人軍の4番バッターとして活躍をし、ジャイアンツの優勝に貢献した。 そんな彼が、先月始めの記者会見で語った言葉が印象深い。
「自分にもっと素直になろうと思った。正直に生きようと思った。 これまでボクは常々人間は一人では生きていけないと思ってきた。 羊が群を作らなければ決して生きていけないように、人間も。 でも、たとえば百匹の羊がいて、99匹が群れのしきたりに従って生きていても、 必ず一匹の迷える子羊が出てくるという。 『そんな息苦しい生き方ではなく、感性で生きたい。力を試したい』と。 ボクの中にも、迷える子羊がいた。 そしてボクはその自分の中の一匹を大切にしたいと」
彼は今年FAの権利を取得し、メジャーリーグに挑戦する。 10年間籍を置いた巨人軍と日本に別れを告げ、自分の夢の実現に挑戦する。
しかし・・・齢27の男の台詞にしては、ものすごくしっかりしている。 自らをきちんと見つめ、自らの夢を実現すべく行動を起こす姿は羨ましくすら感じてしまう。
人は基本的には貪欲なものであろうと思う。 次から次へと、人の欲求には際限がない。 しかしながら、ほとんどの人の場合において、 彼の言葉を借りるならば「99匹の羊の中」に紛れている。 もやもやし、眼前にある道に疑問を抱きながらも、その道をひたすら進む。 あるいは、何も考えることなく、敷かれたレールの上を進んでいる場合もあるだろう。 そして自分は・・・
やはりその中に存在するのだろう。 色々な事でもがき、あがき、不平不満を募らせたところで、 結局殻を打ち破る事をしていない。 そう・・・ 出来ないのではなく、やらないだけなんだ・・・ やらない理由・・・保身に走ってしまう理由もいくつかあるようだが、 それもまた所詮言い訳にしか過ぎないのかもしれない。
2002年12月16日(月)
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