あっこのPiano Diary...あっこ

 

 

vol.43 ポピュラーの仕事 その2 - 2003年07月25日(金)

何が辛いって、レパートリー作り。
ポピュラーって興味ないもん。
クラシックばかりお店で弾いてると、マスターは
「あっこちゃんの好きな曲でもいいねんで。映画音楽とかさ」
と、勝手に映画音楽好きにされてしまう。
そして「クラシックじゃないのを弾いて」という注文まで来たから
ポピュラーを弾かないわけには行かない。

この1ヶ月で楽譜代やコピー代に使った金額、
三万円は越してる。いや、4万行ってるかも。計算してないけど。
もともと家にあったポピュラーやジャズの楽譜は
8割方役に立たない。
で、やっと気がついたことは、
そういった「役に立たない」しょぼい編曲の楽譜に
自分で色づけして弾かねばレパートリーは作れないということ。
たしかになぁ、作曲のお稽古にも通ってたけど、、、
どの程度色づけしたらお客さんが喜ぶのか、
あるいはどの程度で押さえておいても間に合うか、
その辺の境目がわからない。しかしやるしかない。
みんな「自己流です」というのはこれだったのか?

時には使える楽譜もある。学生時代に買った楽譜が
10年以上たって役に立ったのもある。るるるる。。。。

ピアノラウンジの仕事はレパートリーが500曲は必要、
とどこかで読んだことがある。ビストロもしかり。
今の私は100曲もない。
とにかくやらねばならない。時間がかかる…るるる。。。

そこへ伴奏である。楽譜を弾くだけなら問題ない。すぐできる。
問題は一段譜。しかもアドリブつき。
フルートの彼女は私が何も出来ないことに対して
ご不満のようである。
先日なぜかお客がゼロ、という日があって、
その時にたっぷり打ち合わせをしたはずなのに、、、
こないだ本番である曲をはじめた。
前奏→1回目は楽譜のまま→
2回目リズム的な和音とウォーキングベースで→
3回目ピアノがメロディー→4回目また楽譜のまま…
という予定だったので、
3回目に私は伴奏譜に適当にメロディーをつけて弾き始めた。
するとフルートの子は吹くのをやめてしまい、
私が弾いている横から
「何弾いているんですか?」という。
「え?メロディーですけど」と弾きながら答える私。
「私が入れない。まあいいや、ここから一緒に吹きます」と彼女。
曲が終わって彼女が言うには
「あのね!ブライダルとかこういう仕事するときは
 メロディーというとアドリブのことを言うんです」
私の認識不足には間違いないが、
私はクラシックの仕事しかしたことがないと
最初に言ったじゃろーが。
で、「じゃ、クラシックでもしましょうか」と
予定していた曲を全部キャンセル。なんで?
「本なら私が持ってます」と言って出そうとすると
「いーですよ、これ使ってください!」と
譜面代に楽譜を「バン!」と置いた。
でもそれ、譜めくりしにくいもん。
私の楽譜は譜めくりしなくていい様に
コピーしたページを張りつけてあるもん。
無理にその本を出して使ったよ。

私に言わせれば、私が勘違いしたことがわかったなら
アドリブはフルートだけして、繰り返しを3回に減らせば
済むことじゃん、って思った。
そして、本当に出来る人なら私が勘違いして本来のメロディーを
弾いている時に、とっさにアドリブすりゃいいじゃん。
何も私が時間を割いてコピーしたものをすべてキャンセルしなくても
いいじゃないの、と思った。
でも、この仕事では彼女が先輩。ポピュラー歴?年。私は3週間。
とにかく私の認識不足を「すみませんでした」と謝るしかない。
ああ、小さなとこにも社会はあるなぁ。。

帰り道、気まずかったけど、
言葉を交わす時間は帰り道くらいしかないので
彼女に合わせて少し遠回りした。
彼女は自分の経験をもとにアドリブの必要性について語った。
いや、そんなん私も十分認識したって。
彼女自身、「アドリブについては私もいま自分で本を見て
勉強中なんです。私のはまだフェイクなんです」と言うけど。

フェイクというのは本来のメロディーを
リズムを変えたり半音下や上の音やその他コードの構成音
を使って飾り付けて弾くこと。
その程度のアドリブなら私でも何とかできる。
でも彼女のはさすがにもう少し上だ。

一番堪えたのは次の彼女の一言。
「私ね、ピアノの人を募集する時に、マスターには
 一段譜が読めてアドリブ出来る人にしてくださいって頼んだんです」
…マスターが私を採用してくれたんだけど。
彼女は「私も最初はなにもできなかった。
クラシックばかりで仕事しようとしてた」って言ってたのにな。

「この仕事をする人の中にはね、本番で勉強すればいい、
っていう人もいるけど、私はそんなのいやなんですね。
やるからにはちゃんとしたいんですね」って。
「そうですね、お金もらってますしね」って返事したけど、
べつにさ、私はいいかげんなことをしようとは思ってないよ。
どっちかと言うと私は完璧主義だから、たとえ本番で失敗しようが
とにかく自分の中でいいかげんと思われる技術のまま
弾きたくないだけなんよ…って弾いてるけど。

しかし新入りで、しかも一段譜で仕事が出来ない私に
そんなセリフ吐けるわけない。
ひたすら、
「ごめんなさい。勉強して1日でもはやく出来るように
なりますので」と謝る。

とにかくお金もらってピアノ弾くんだから
同じラインに立たないと即戦力にはならない。
それは十分わかっている。
もしここで私が切れてしまって出勤拒否とか
辞めたりしたら、私の担当していた困った学生と同じレベルだし。
実はさ、引越しとかで今月限りでまた二人生徒がやめたんだよ。
9月にも二人やめることが決まってるし。
頑張って稼ぐしかないのだ。


…彼女との不協和音をマスターは敏感に感じとったのか?
「あっこちゃんはあっこちゃんのままでやってくれたらいいねん。
 僕はみんなが仲良くなってくれたらそれが一番うれしいんや」
と言った。
マスターもママもとてもいい人だからお店に不満はないんだけど。
暇な時にささっと作って出してくれる軽食も
さすがマスター、どれもこれもおいしいし。


...



 

 

 

 

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