観能雑感
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2005年11月12日(土) NHK交響楽団定期公演

NHK交響楽団定期公演 NHKホール PM6:00〜

 サヴァリッシュは健康上の問題で来日不可。チケット購入時から起こりうる事態であると覚悟はしていたが、彼の指揮するブラームスを是非聴きたかった。しかし、何分ご高齢である。無理は禁物。もし叶うならば再び日本を訪れていただきたい。

 渋谷の雑踏にはやはりうんざり。開場後間もなく到着したが、室内楽の演奏会場の椅子はほぼ埋まっていた。階段の踊場の最前列を確保できたのでそこで観賞。今日はフランセ作曲の四重奏曲。弦楽ではなく管楽の四重奏。楽器同士が会話しているような箇所あり。
 2階後列下手に着席。本日のコンサートマスターは堀さん。

 風邪によりボーっとしているためごく簡単に記述。

指揮 マティアス・バーメルト
ヴァイオリン ヴィヴィアン・ハーグナー

チャイコフスキー 『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35』

 チャイコフスキーはとにかく初演に弱く、気の毒なあまり言葉もなくなるくらいだが、この曲も例外ではない。しかし現在ではヴァイオリン協奏曲の中でもっともよく演奏される曲のひとつとなっている。
 指揮もヴァイオリンも堅実そのもの。すっきりとまとまってはいるが、この曲のもつロマンティックで華やかな響きは不足気味だった。

 子供のころはあまりピンとこなかったブラームスの交響曲だが、ある程度の年月を生きてきた昨今では大変心動かされる。一番好きなのがこの2番。
 第一楽章の演奏が始まってしばらく後、首筋に違和感を感じ手を伸ばすと、なにか指に触れたような気がした。その後肩のあたりを見るとなんと大嫌いな虫がとまっているではないか。なぜコンサートホールの中に虫がいるのだ・・・。通常ならば悲鳴をあげるところだが、演奏中のためそんなことはできず、かといって体を動かして振り払うこともできず、とりあえず腕をごく僅か動かしてみるのみ。以降、なんとなく落ち着かないまま演奏は進行。虫は終盤近くホール内を飛んでいるのが見えた。指揮者とオケの資質にはブラームスの方が合っていたのか、こちらの演奏は楽しめた。茂木さんのオーボエのソロは見事。
 
 会場を後にした時には夜風が大分冷たく、それが元で風邪を引いた模様。不覚。



こぎつね丸