観能雑感
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2004年04月23日(金) バレエ 『ロメオとジュリエット』

 移転の際能以外にも使えるようタイトル変更を考えたが結局現行のままになった。能以外の舞台に関する記述は多くはないと思われるので気にしないことにする。

 新国立劇場に『ロメオとジュリエット』を観に行く。持病による痛みが強くて出かけるのをためらったが結局行く。
 例のごとく一番安いE席。Z席は別。4階なので高所恐怖症にはちょっと怖い。オーケストラピットが全く見えず。残念。各々が練習しているところにオーボエのAが鳴ってチューニングに入る過程を聴いているのがとても好きだ。
 ジュリエット役のアリーナ・コジョカルが怪我のため休演。代演はABTプリンシパルのシオマーラ・レイエス。可憐で清純なジュリエットだったけれど胸に迫るものがやや足りなかった。フェリはどう踊ったのだろう。ロメオは『マノン』にも出演していたデニス・マトヴィエンコ。第1幕6場の踊りが秀逸。恋する少年の必死さと熱い想いが伝わってきた。ティボルト役のイルギス・ガリムーリン、看守役で同じく『マノン』に出演。気持ちがいいくらいの悪役振りだったけれど、今回も粗野で短絡的なジュリエットの兄を好演。カーテンコールの拍手に力がこもった。
 当初マキューシオとベンヴォーリオがどちらか判らなかったが、いずれ明白になるので気にしなかった。彼も好演。
 それにしても神父の計画のずさんなこと。この話を悲劇で終わらせるために登場した装置のようだ。
マクミラン作品は、主役の背景に居る登場人物一人一人が類型的な動きではなく、生きた人間として振付られているので、どこを見ていいか分からなくなる。
 やはりオーケストラの生演奏はいい。そして客席がまともなのも。係員が前のめりにならないよう注意していたのも良かった。

 バレエを観ると踊れないけれど踊り出したくなる。


こぎつね丸