端午の節句が過ぎても強めの風のなかを泳ぐ鯉のぼりを見て、 桃の節句へと連想が広がって思い出したことがあった。
今住んでいるあたりでは節句は月遅れだと聞いているので、 世間で言う節句が過ぎても、きっと大丈夫なんだろうな、と思ってはいる。
昔、彼氏と結婚話が出たあたりの桃の節句の頃、 ひな壇をそのまま出すのは体力的にちょっと大変だったから、 母はお雛様とお内裏様だけを床の間に出して飾ってくれた。 (過去、実家に姉も私もいないのに、3月にお雛様を飾っていてくれたこともあった)
きっとこれが最後に私が見るお雛様だと思ってくれたのだと思う。 その気遣いが嬉しくて、お雛様とお内裏様の写メを彼氏に見せたりした。 色々噛み合わない部分はあったけれど、そのまま嫁ぐのだと思っていた。 それはそれで、幸せだった。
雛人形をしまうのが遅れるといき遅れるという、 母も私もそれが怖くて、3/3を過ぎたらさっさと雛人形をしまった。 その甲斐もなく、未だに「結婚できなーい」と言っては周囲を引かせている。 雛人形を飾った母の気持ちに、応えられないでいる。 そんなふうに、鯉のぼりを見ただけで色々思って泣きそうになったけれど、 周囲の目が気になって何事もなかったかのように振舞った。
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