アクセス解析
on a wall
亜栗鼠
■
■
■
■
■
■
「捨てられるのが怖いんじゃない」という殻
気が付くと動きが止まっている。
昔からよくあること。
結婚した頃から余計に酷くなっていたような気はする。
掃除をしていても、気が付くと止まっている。
テレビを見ていても、気が付くと意識が何処かへ飛んでいる。
日記を書いていてもそう。
何か考え事をしているんだと思う。
何か思い出しているんだと思う。
けれど、何を考えていたのかすら思い出せないことがよくある。
不安に襲われる。
お月様が近いんだろうか?
捨てられるのが怖いんじゃない。
捨てられたって私は大丈夫だよ。
いらなくなったらいつでも捨てちゃっていいんですよ。
私は大丈夫。
捨てられるのが怖いんじゃない・・・
いつからだろう
こんなに素直になるのが怖くなったのは。
「そうやって今までゴミみたいに男を捨ててきたんだ。」
と、前夫に言われたことがある。
そりゃ、今まで男を振った事もあれば振られた事もある。
けれど、ゴミみたいに捨てたりなんてしていない。
と思っているのは私だけなんだろうか。
「捨てるんだ。そうやってゴミみたいに捨てるんだ。」
そう言われてきたことは、私の意識に深く深く焼き付けられた。
今まで、捨てられるのが怖くて怖くてたまらなかったのに
捨てられることなんて怖くないと言い聞かせるようになった。
いつ捨てられても大丈夫なように
心構えをして人を好きになるようになっていた。
母が私達を置いて家を出た時の事、
いつものように「仕事に行く」と家を出ていく母を
私は「どこ行くの?私も行く。」と追いかけたと云う。
憶えてはいない。
けれど、よく夢に見ていた。
捨てられることを恐れていた。
「捨てられるのが怖いんじゃない。」
そう思い込むようになった私は、この夢も見なくなっていた。
自分を正当化したかったんだ。
自分を正当化したいが為に、ここまで思い込んだ。
「私は捨てられることなんて怖くない。だから、つべこべ言わずに捨てられてくれ。」
そう言いたかったんだ。
それを言う為に、私は殻を作った。
今、怖いんだ。
きっと、捨てられるのが怖いんだ。
誰かに・・・じゃない。
彼に捨てられるのが怖いんだ。
彼の傍から離れるのが怖いんだ。
彼の言葉、信じられないんじゃない。
「捨てられるのが怖いんじゃない。」
頑なに守ってきたその殻を壊してしまったから怖いんだ。
ガードを外してしまったから怖いんだ。
それでもまだ「捨てないで!」と言えない妙な我慢癖が抜けないから
だから苦しいのか・・・
「捨てないで!」それを言ってしまったら
自分を正当化出来なくなってしまうから
だから苦しいのか・・・
↑エンピツ投票ボタン
My追加する
2002年08月20日(火)
≪
≫
初日
最新
目次
MAIL
あなたの声を聞かせて下さい。
空メールでも喜びます。
My追加