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on a wall
亜栗鼠
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非通知電話
夜中に携帯が鳴る。
−非通知−
出てみると、
「適当にかけたんですけど、今暇ですか?」
と若い男性の声。
元夫ではなかった。
もしかしたら、頼まれてかけてきた?
一瞬色んな事が頭を巡ってオドオドとした対応をしていた。
すぐに電話は切ったのだけど
しばらく心臓がバクバクして、なかなか治まらなかった。
生きているのか、死んでいるのか。
どこまで周囲に迷惑をかけたら気が済むのか。
今まで私を責めたてていたのはなんだったのか。
「これ以上俺以外の人間に迷惑かけるのはやめてくれ。」
別れた直後に元夫が私に言った言葉。
私が一体何をした?
今まで誰かに迷惑をかけることを、心配をかけることを恐れて恐れて生きてきたのに。
必要以上にビクビクして生きてきたのに。
なによりも、元夫が壊れることを恐れて、それで周りに迷惑がかかることを恐れて、自分を殺して夫婦生活をおくってきたのに。
今のこの状態を恐れて何も出来ずにいたのに。
やっと動き出せたのに。
一体いつになったら全てから解放されるんだろう。
社会保険の扶養からもまだ外れる事も出来ない。
一体いつになったら赤の他人になれるんだろう?
私は自己中心的な人間なんでしょうか?
我侭でしょうか?
自分を殺して、演技をしながら生活していくことが優しさでしょうか?
今までのそんな優しさは、私の弱さ。
弱さが持つ優しさは、時に残酷。
「愛が無くなりました」と婚約破棄した貴乃花は、とても強い人だと思った。
どんなに悪だと言われても、何も語らなかった彼は、とても強い人だと感じた。
気にしてもしょうがない。
なんと言われようと、私は私を大切にする。
自分が可愛いんだっ。
私は幸せになるんだっ。
何が悪いっ!
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2002年06月14日(金)
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