29号の日記
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土曜夜から先程にかけて、実家に一時帰省。疲れた感じで腹の調子が悪い。こういう時は、消化が良くて栄養価の高いものが効果的だろう。無性に「おとろ」(=麦とろ飯)が食べたくなって、帰宅後、安さが売りの八百屋に行った。店頭付近には見当たらず、店の奥の方に、真空パック入りの「鹿島灘特産 長芋」があった。こうした食材を買う客は少ないと見え、辺りは古くなった野菜くずが出す腐敗臭が漂い、見た目新鮮そうではなかったが、「国産だし、真空パックだから大丈夫だろう」と思い、購入した。しかし、その判断は間違いだった。 帰宅して、心躍らせながら、「鹿島灘特産 長芋」を真空パックから取り出す。見た目腐っているわけでも、かびているわけでもないのだが、(そのくらいはチェックした上で買っている。)酸化臭と言えば良いのだろうか、ちょっとすっぱく不快な臭いがする。先週ホームセンターで買ってきたばかりの、すり鉢とすりこぎを出して、まずはすり鉢の上で、芋をおろし金にかける。明らかに芋は水っぽく、細胞組織のきめが粗い(=水太りしている)。しかも、驚いたことに、摩り下ろしたはじからあっという間に黒ずんで(=酸化して)しまう。これは不味そうだ。そう思いながらも、テレビを観ながら気長にすりこぎで芋をすり始めた。だしは実家では煮干と昆布で取っていたような気がするが、とりあえずなんでもいいだろうと思ってしいたけの煮汁を加え、さらにすり続けた。 そして、炊き上がった麦飯にかけて食べてみた。「不味い!」それは、想像を超えた不味さだった。こんなに不味いおとろは、明らかに生まれて初めてだった。もし生まれて初めて食べるおとろがこの味だったら、絶対、おとろ嫌いの子供になっていただろうと確信できるくらいに不味かった。 茶碗一杯分を麦飯と一緒に食べきった段階で、これ以上不味すぎて食べられないと思い、残っているおとろをフライパンで焼いてしまうことにした。生では食べられない、鮮度の落ちた魚などでも、焼けば食べられる。それと同じと考えて。 小麦粉を加え、油をひいたフライパンの上で焼く。かるめ焼きのような色と形状の物体が焼きあがった。食べてみる。不味いことは不味いが、生の時より幾分マシになっている。なんとか捨てずに全部食べることができた。 今度からはとろ芋(=とろろ芋)は鮮度を十分確認して買わねばと、固く心に誓ったのであった。
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