日日雑記
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 米澤穂信を読む

東京創元社の「はじめて読むならこの1冊フェア」で平積みになっていた『春期限定いちごタルト事件』を読みました。
著者は米澤穂信、1978年生まれで角川学園小説大賞奨励賞受賞……いわゆるラノベライターさんなのでした。

裏表紙のリードはこうです。

小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す――

こう書かれた二人が単なる小市民で無いことは歴然です。
才能を出し惜しみする人が好きと昨日書きましたが、その理由が自分への嫌悪というのは悲しいほど美しいです。

この本では殺人は起きません。
事件は自転車泥棒やいちごタルト、カンニングにココア等、当たり前すぎる学生の日常に添ったものばかり。だからこそ残酷なのです。

好きな文章。

メールを出す。文面はこうだ。
『機動防禦に予備兵力増強の要あると認むにつき支援を要請す』
返答はこうだった。
『くそたわけ』

挫折したコナンくんと灰原に、現実的で武骨な平次……ものすごく乱暴に言ってしまうとそんな感じの組み合わせです。

ああ、ひとつ忘れてた。
あたしは、情熱を己の負の部分に抱え込み、いつも青白い炎に包まれてるような人も好きなのでした。


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2005年05月21日(土)
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