司馬遼太郎『功名が辻』(一〜四) 文春文庫山内一豊の妻が「賢夫人」としてもてはやされたのは、そんなに遠くもない昔の話だった、と記憶する。もちろん、コージ苑はまだ生まれていなかったが。最近では、モ○ットだかのコマーシャルで、竹中直人と桃井かおりだったかがやってた覚えが。とにかく人物描写がすばらしい。一豊は情けなくも実直で誠実に描かれ、妻の賢さがますます際だつ。バカじゃない、でも苦笑を誘う情けなさ、加えて母性本能をくすぐりそう、というさじ加減が絶妙である。