もう何年前になるだろうか、 友人と二人で欧州貧乏旅行をした。 勿論イタリアは外せない。 そしてイタリアならば、キリスト教徒ならずとも、 バチカンには行っておきたいところである。
行列に並んで入った建物の中は、 それはもう呆れるほどの豪華さだった。 キリスト教に限らず、宗教の建物には、 「どうだー!!(ドーン!!)」ってものが多い。 こんなきらびやかな物を見せられた日には、 「すげー!僕入信するー!!」と…なるかどうかは分らないが、 圧倒された人間は、それを畏敬の念に横滑りさせてしまうことも、 あるんではなかろうか、と、そう思った。
システィナ礼拝堂は、ミケランジェロの壁画と天井画が呼び物。 しかし、修復中ということで、あまりよく見られなかった覚えがある。
修復作業は、2000年に完了したという。 数十年かかったこのプロジェクトの詳細を記したのが、こちらの本。
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青木昭『修復士とミケランジェロとシスティーナの闇』 日本テレビ 死と闇の世界、と言われていたシスティーナの宗教画は、 実はあふれるほどの色彩の洪水だった。 ミケランジェロのフレスコ画に対する定説が、 この修復でいくつひっくりかえったかわからない。 一つ一つの絵に、修復にまつわるエピソードがあり、 カラー図版を見ながらそれを読むのがまた楽しい。 読み終わった後、コージ苑は、 これはもう一度イタリアに行かなければ、と決心したのだ。
井伏鱒二『珍品堂主人』 中公文庫 石坂浩二は病気だと聞きましたが、 「なんでも鑑定団」はまだ続いているのでしょうか。 それはさておき、井伏鱒二の文体は、 コージ苑的感覚でいくと、ものすごく洒落ている。 照れを見せても品を失わず、大人が片頬だけで笑える文。 思うに「山椒魚」は、小学生が教科書の上だけで「学ぶ」話じゃないぞ。
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