出向コージ苑

2003年07月07日(月) 七夕の出会い

見つかりました、運命の部屋。

朝早く、ティンカーベル嬢から電話が入る。
頼んでおいた不動産屋では、新しい物件はないとのことで、
心配した彼女は、広告雑誌をチェックしたんだそうだ。
この雑誌、週2回発行されるもので、
土地から部屋から中古携帯電話まで、
様々な「売ります貸します」がギッシリ掲載されている。
彼女は、その中の2つの物件に目をつけたというわけ。

午後イチで、問題の部屋を見に行く。
雑誌に掲載された物件を押さえたかったら、
発行日の午前中には連絡しないと間に合わないのだそうだ。
…世の中、そんなに多くの人々が一時に部屋を借りるんだろうか。

2つの物件は、同じ地区の同じアパート群にあった。
大学から歩いて5分の所にあるその地区は、
中心街に近い割に緑が多くて静かな環境だということで、
ちょっとばかし裕福なご家庭に人気の町。
従って、そこで貸し物件が出るのは珍しいんだそうだ。

1つ目は、川沿いの道から一本入った場所。
エージェントが待ちかまえていた。
アパートは築20年。
古い建物の多い欧州では、これでも新しい方である。
案内された部屋は、最上階のワンルーム。
窓が大きく南向きなので、日当たりの良さがまず目に付いた。
いわゆる「屋根裏部屋」なので、
普通のものよりも若干天井が高く、
その特性を活かしてロフト付きにしている。
面積は、全てあわせて30m2。
「一階部分」だけを見ると、はっきり言って相当狭い。
日本のワンルーム並みである。
それでも、設備その他を考えると、
少々高めの家賃も、相場からするとお値打ち価格である。

2つ目の部屋は、現在改装工事中。
建物こそ違うものの、最上階にあるところや部屋の構造など、
殆どが前の物件と同じ条件。
しかし、気合を入れて改装しているのか、
ロフトへ登るのに、手すり付きの螺旋階段をつけたり、
キッチンには20本分のワイン棚があったり、
果てはエアコンまでついているというご丁寧さ。
それだけに家賃も高い。
ティンカーベル嬢が交渉してくれたのだが、
1EURも値下がらなかった。

確かに、2つ目の部屋は素敵だった。
しかし、給料の6割以上を「住」に費やすのはごめんだ。
いくらきれいな部屋に住んでいても、
食事や遊びを限界まできりつめて、
ぎりぎりの生活をするなんて、コージ苑から見ると馬鹿げた話。

ということで、1件目の物件に決めることにして、
エージェントに連絡の電話を入れた。
交渉の末、洗濯機とベッドをつけてもらえることになり、
正式な契約を今週中に結ぶように手配した。

やれやれ、これで住所不定のまま仕事を始めなくて済むのだ。
何より、住居契約がないと就労ビザがおりなかった。
税金の問題があるとかで、大抵の家主は契約書を書きたがらず、
それが部屋探しを困難にしていた原因でもあった。
今回借りることになった部屋の持ち主は、
親戚が日本で働いているとかで、
コージ苑に貸すことや、契約書の点では異存はなかったらしい。
もしかして、コージ苑けっこうラッキー?

※※※※※

歴史探検隊『人は権力を握ると何をするか』 文春文庫
単なる雑学本として読んでみた。
権力者というのは、わがままが許されてしまう、
というか、わがままを通してしまう。
一般人であれば、周りから変態呼ばわりされて終わるようなことも、
王様となると止める人間がいないので、始末が悪い。
振り返って我が身を見ると、
コージ苑は決して禁欲的な生活を続けられる人間ではないので、
権力などというものは持たないに限るな、と思った次第である。
(それ以前に権力を持てるようになる要素がないのだが)


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