本当は夏至祭に行くはずだった、 ある学生の実家を訪ねて日帰り旅行である。
その町は、ロシア国境近くにある。 R市からは車で約3時間。 当然、住民はR市よりもロシアに行く回数が多い。 ガソリンの「買出し」に出かけていくのだそうだ。 何でも、ビザ代を考慮してもL国より安いらしく、 日本円にしてリッター約40円。 …そりゃ行くわな。 (ちなみにL国の相場はリッター約80円)
徒然草ではないが、旅の案内役はいるに越したことはない。 何せ『歩き方』にも載っていない程の田舎町である。 知らなければ、ただ歩いて何となく終わってしまう旅行が、 今回案内してくれた学生のおかげで、予想以上に楽しいものになった。
まず、町の実力者(というか独裁者)の所有だった城と森林公園を歩く。 城は現在博物館兼映画館として使われている。 ちなみに明日の上映は「千と千尋の神隠し」。 宮崎アニメも、つくづく国際的になったもんだ。
森林公園には、ギリシャの神々や、アレクサンダー大王の神殿がいっぱい。 戦争で焼けてしまったそうだが、 かつては中国風・日本風の東屋などもあったらしい。 当時にしてみれば、それはちょっとしたテーマパーク。 しかし、庶民がそれらを利用できたことはなく、 無断で森に入った者は、黄金製の「風の神殿」で絞首刑になったのだそうだ。 従者だけ連れて、たった一人で森を歩く独裁者の心の中には、 一体何があったのだろう。
どうやら東洋人がめちゃくちゃ珍しかったらしく、 R市以上に人々の熱い視線が注がれるのを感じたコージ苑達である。 中学生ぐらいの男の子がすれ違い様に、 「カワサキ!カワサキ!」と声をかけてきたので、 「ヤマハ!ホンダ!」と、(聞こえないように)言ってやった。 また誤解を助長するようなことをしてしまったコージ苑、 職業は日本語教師。←失格?
郊外にある野外博物館は、残念ながらもう閉館していた。 土曜日は開館時間が短いのね。 せっかくなので小屋の外観を見ながらぐるっと一周。 夏至祭は、この町で行われるらしい。 さぞかし雰囲気が出ることだろう。 ああ行きたかった。
帰りに、現在韓国滞在中のローラちゃんの故郷に寄ってみる。 彼女曰く「とてもとてもとてもきれいな」町。 町の中心に教会があり、 街灯一本を中心にしたロータリーの周りには、 数軒の商店とカフェが並んでいる。 少し離れたところには郵便局。 町を流れる小さな川にかかる小さな橋。 それだけの町。 それでも花がこぼれんばかりに咲いていて、畑を耕す人がいて。 日本で会ったらローラに見せてやろうと、写真を数枚撮った。
一日たっぷり見て歩いた、という気分で帰宅。 都会を観光するのも良いけれど、 小さい町をただ歩くのも悪くない、どころか楽しい。 田舎町をぶらつくのにも良い季節になりました。
蚊には悩まされるけど。←今年初さされ
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