寝ぼけ眼のコージ苑に母が言った。 「お父さんが角忠さんでお昼食べるかって」 即覚醒、即返答(無論「食べる」)。
掃除を済ませたいという母は家に残り、父と二人で車を走らせる。 本日快晴、高速から見る山の風景は素晴らしい。 「最後にこれを見られたのはいいね」と父が言う。 ああそうか、もうすぐまた海外に行くんだっけと、 思い出すと気が滅入らないでもないが、 たまに帰ってくるからこそ何もかもが面白いんだ、きっと。
父と共に仕事をしている職人さん達と一緒にステーキ丼を食べる。 ピーター・メイルの本に、美食家の職人の話が出てくるが、 彼らはまさに、そういう類の人物だった。 若い一人は牛肉について、年嵩の一人は料理について。 世界は広くて、人間は星の数ほどいて、 未知の星を一つ見つけるのはとっても嬉しいことなのだ。
そして勿論、豊後牛のステーキ丼は最高に最高だったしね。
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