山中にある父アトリエは、夜になると虫の声やらケモノの声やらがうるさくて、 町育ちの哀れなコージ苑は中々寝付けなかった。 暗闇の中で光る二つの目があったらどうしよう、とろくに寝返りもうてず、 結局睡眠不足の夜明けとなった。
昼前に自宅に送ってもらう。 さすがに眠たかったので、昼寝でもしようと思ったそんな時に限って、 急に来客があったり電話が鳴ったり。 一睡も出来ないまま、茶道の先生宅に行く時間になってしまった。 父同行でお礼の挨拶を済ませ、お茶を一杯いただく。 一緒に出てきた漬物、なんと100年を越す糠床を使っているそうだ。 コージ苑は糠漬けの、あのなんともいえない酸味が決して好きではないのだが、 これに関しては意見を変えざるをえないだろう。 日本を発つ前にいいもの食させていただきました。
夜は母と、一日ぶりの再会を祝ってビールで乾杯。 口実はいつでも後付け。
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