月のシズク
mamico



 苺狩りへの渇望

ふと、唐突に、もうどうしようもないくらい、苺狩りに行きたくなった。
緑の葉っぱの間にひっそりと実る赤い苺。
広がるスロトベリー・フィールド。

縦一列に走る苺畑のはじっこから、右手と左手でもぎ取っては口の中へ放り込む。
さりっと新鮮な音がして、甘酸っぱい汁が口の端からしたたり落ちる。
次から次へと休むことなくもぎ取り、むしゃむしゃと食べてはもぎ取る。
じゅっぽんの指は苺の汁で、口の中と同じくらい赤く染まる。

そして、おもむろに銀色のボールを取り出し、しゃかしゃかと生クリームを作る。
わたしは、苺畑の真ん中に立ち、出来たての生クリームを苺ですくって喰らう。
透明なビニールに覆われた、温室の広い苺畑で、狂ったように苺を食い続ける。

なんてシュールな甘やかさ。
ああ、苺畑がわたしを誘惑する。




2002年02月19日(火)
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