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■ Slipping the Reality
けたたましくコールが鳴り響いているとき、私はベットで夢をみていた。
友達の挙式まで時間がないというのに、私は着ていく服がなかった。 それでも髪は結い上げてあって、まだジーンズをはいている。 着付けをする時間などないのに、どうしよう、とおたおたしている夢。
目覚めの水面に近づいたとき、激しく鳴るコールは、目覚まし代わりにしている 電話の呼び出し音だと思っていた。手探りで解除ボタンを何度も押す。 コールは鳴りやまない。はたと眼を開き、それがインターフォンの音だと気づく。 来客の時間?
慌ててデジタルの数字を読むと、10時ちょうどだった。 寝過ごしたことを理解できず、鳴り響くコール音を放置したまま ベットの中で丸くうずくまっていた。どうしたんだろう、と考えながら。
仕事や約束のある朝は、まず寝過ごすことはない。 几帳面ではないけれど、野太い神経の持ち主ではないので、必ず目覚める。 ずっとそういうふうに心身と生活を訓練してきた。 なのに、まったく記憶がない。いろいろなことを忘れている。 いったいどうしたんだろう、私は。
ここ最近、私の生活に、いや、正確に言えば私自身に少し違和感を感じる。 現実がわたしのすぐ近くで、ちょっとずつ、ずるずると滑っているみたいだ。 注意力が散漫で、ある時間のかたまりをぽっかりと喪失している。 反省も自己嫌悪も自責の念も浮かんでこない。 まったく、いったいどうしてしまったんだろう。
こういうときは、目をつぶり、耳をふさぎ、静かに呼吸しながら周囲をやりすごそう。 逃げるのではない。この手で捕まえることのできないモノどもを、やりすごすのだ。 そう、現実からすべり落ちないように。
2002年02月05日(火)
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