月のシズク
mamico



 似顔絵

そもそも私は自分の顔が好きでも嫌いでもない。
取り立てて誰かのものと取り替えたいと思ったこともないし、手を加えようと
したこともない。まぁ自然発生的に備わってしまったこの顔と死ぬまで
うまくやっていくつもりである。

でも人の顔って変化するんですよね。
歳とともに老化する皮膚なんかは当然だけれど、心持ちで表情が様々に変わる。
だから、表情によっては誰でも恰好良くなれるし、美しくなれる。
骨格やらパーツなどの美的要素はある種、運命的なことだから潔く諦めましょう。
人工的にいじるのは個人の責任として、ね。

で、生まれて初めて似顔絵を描いてもらった。
写真なんかは瞬間の美学だけど、絵ってその人を描く15分なり30分なりの余裕が
ある。初めて前に座ったときの視覚的イメージ、じっとしていない表情、
にじみ出てくるその人の内面。そんなのすべてを「描き出す」のが似顔絵だと
今回思い知らされました。

だってね、にこりとも笑わない眼鏡の中年男が、絵の中ではふんわりと笑って
いたのです。眼鏡の奥の眼もおだやかな光を放っていて。
ああ、この人はこんなふうに笑うんだ、と納得してしまいました。
絵を描く人の感性って素晴らしいですね。と側で見ていて思いました
(いったい何人分眺めていたのだろう)。

で、このワタクシ。以前、芸大生の友に「デフォルメした顔でいいから私のカオ
描いてよー」と頼んだとき「描きやすい顔と描きにくい顔があるの。
君は後者だからダメ」とあっさり断られた経験あり。
そこで、まったくの他人が無言の短い時間内で読みとり、
描き取った私とは・・・


うーむ、電信柱にぴらりと貼られている
「この人を捜しています」のアレに似ていなくもない。。。





2001年12月29日(土)
前説 NEW! INDEX MAIL HOME


My追加